一方、中国はTPPが要求する高いレベルの規定を満たすのは難しい状況だ。中国が主導するRCEPの場合、TPPに比べると開放の水準が低い。同時にアメリカが現在ではTPPに対する関心が低いが、いつでもTPPに復帰できる状況が展開される可能性もある。そのため中国のTPP加盟はさらにダメだとみることができる。中国がもしTPPメンバーになれば、アメリカのTPP復帰の可能性はなくなっていると見るべきなのだ。

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 問題は韓国だ。韓国は努力すればTPP加盟基準を満たすことができるかもしれない。しかし加盟基準を満たしたという理由で韓国のTPP加盟を承認すれば、日本にとっては災いになる可能性がある。今日の韓国は、見かけとしては厳然たる独立国家だ。しかし韓国は1000年以上続いてきた小中華思想が相変わらず力を発揮する国家だ。今日の韓国政府が、内外において様々な形態で中国の代弁人の役割を忠実に遂行することは、すでに見慣れた光景だ。

 小中華思想の一番大きな問題点は、韓国人が自ら中国の臣下の座を獲得したという自負心に基づいて中国の臣下ではないという理由で日本をあざ笑い、見下す態度を見せるという点だ。今日の韓国の病的な反日の核心的な原因は、韓国人のDNAに残るこのような「小中華思想」なのだ。

 したがって、韓国がもしTPPのメンバーになれば、その後、韓国が見せるTPP内での行動は中国の代弁人の役割を忠実に果たす可能性が非常に高い。

 例えば、韓国が台湾より早く加盟することになれば、韓国はおそらく中国の意に従い、台湾に対する拒否権を行使する可能性を排除できない。小中華思想に駆られた韓国が中国のために、適当な口実を作って台湾に対する拒否権を行使することは、いくらでも可能なことだ。

 いくら日本が善意で韓国のTPP加盟を承認しても、韓国が日本に感謝を感じる可能性はゼロだ。日本は韓国にいくら善意を示しても、どうせ韓国からあれこれ言われる。韓国に向けた日本の善意が無駄に終わったケースは、多くの事例で確認されてきた。

 韓国がもしTPPのメンバーになれば、日本は再び反日プロパガンダのターゲットになる可能性が高い。韓国は地球上の全ての国際機構を反日のための活動舞台に活用することに卓越した才能を持つ国家だ。UN(慰安婦関連のプロパガンダ)、ユネスコ(明治時代の産業革命遺産登録の妨害)、WTO(韓国向けの輸出政策を提訴)、IAEA(福島原発汚染水の海流放出のけん制)といった主な国際舞台はすでに韓国による反日舞台に悪用されている。その上、国際マンガ祭のような芸術イベントすら反日の舞台に悪用するのが、韓国人だ。

 このような側面において、TPPという経済協力体のケースも大きく違いはないだろう。これまでの経験を通じてみると、TPPメンバーになった韓国は、他のメンバーを回りながら日本の韓国向けの輸出政策などを問題にして執拗に反日活動を展開する可能性を排除できない。同時にTPPメンバー間の意思決定の過程においても、韓国は執拗に日本が提案する意見に対して事あるごとに反対する可能性が高い。相手が日本なら、執拗に文句をつけ、妨害する韓国の日頃からの悪習がそのまま再現される可能性は、いくらでも存在するのだ。

 同時に日本が韓国のTPP加盟を承認したら、これは韓国人にとって「我々がいくら反日でも日本は我々を拒むことができない」といった誤ったメッセージを与える結果となる。こうなれば韓国人に病的な反日をさらに強化させる学習効果としてのみ作用するだろう。

 実際に韓国がTPPに加盟すれば、経済的に日本にとってはある程度の利得になる可能性はある。韓国向けの輸出の増大効果を期待できるのだ。特に、日本の農水産物の全面的な韓国向けの輸出も可能になるだろう。しかしこのような表面的な利得は、韓国のTPP加盟が招くリスクに比べたら微々たるものに過ぎない。少なくとも今のような反日共和国状態の韓国がTPPに加盟するのは適切ではない。

 日本が韓国のTPP加盟に拒否権を行使したという理由で、韓国人が激烈な反日デモを展開する状況などを恐れる必要は全くない。韓国人は日本が好意を見せても反感を見せても、常に激しい反日感情を持つ。優しくしても悪く言い、優しくしなくても悪く言う韓国に対しては、優しくする理由がないのだ。

 同時に日本は国際社会の批判にも神経を使う必要がある。これまで日本は国際社会の世論を考えて韓国に譲歩するケースが多かった。しかしこのようなことが重なり、韓国は「国際社会の世論の動向」を日本のアキレス腱だとみなすようになり、これによって韓国はどんどん国際社会で日本を中傷してこき下ろすやり方で反日プロパガンダを強化するほうにまい進することになる。

 端島(通称:軍艦島)や佐渡の金山など日本の世界文化遺産登録に関して、韓国が日本を批判するのは代表的な例だ。

 2005年に韓国人は、日本の国連常任理事国入りを防ぐ目的で全世界100か国を回りながら、4200万人の反対署名を集めて国連本部に提出した。同時に国連本部前で「日本の常任理事国入り反対」を叫びながらデモを展開した。2014年には韓国政府が直接「国連常任理事国の増設反対」ということを発表したことにより、事実上、日本の常任理事国入りを公式的に反対した。

 このようなやり方で政府や民間レベルで最低限のマナーも無視し、隣国に向けて露骨な敵対心をあらわにする国家は、地球上で韓国が唯一だ。反日共和国という表現に不足はない。

 したがって韓国のTPP加盟の動きに関して、日本は韓国の加盟を通じて日本にどのような経済的利得があるかを考えるより、反日共和国という非正常的な国家のTPP加盟が招くリスクのほうを考えなければならない。このような点を肝に銘じれば、TPPに加盟するという韓国に対して現在の日本が取るべきスタンスは「拒否権」以外にないという結論に至る。

 反日共和国の韓国は、今のような病的な反日を自ら治療するだけの自浄能力をすでに消失している。したがって韓国に対する日本の拒否権行使は、韓国の病的な反日がどれほど深刻な状態にあるのかを韓国人自ら自覚させるきっかけになるかもしれない。このような意味において日本の拒否権行使は、逆説的に未来志向的日韓関係の出発点になる可能性がある。

 韓国のTPP加盟に対する承認の有無は、韓国が病的な反日から完全に脱し、正常な国家になった時に初めて検討するのが望ましい。

(終わり)

※この記事は韓国の保守論客ファンドビルダー氏の寄稿文を日本語に翻訳したものです。翻訳の正確さに対する責任は当社にあります。

※ファンドビルダー氏:ソウル出身。高麗大学卒。韓国人が幼い頃から学び、聞き、見てきた日本関連情報の大部分が歪曲、誇張、捏造などで汚染された状態であることを残念に思い、真実を知らせる趣旨でコラムを書いている。慰安婦、徴用、外交・安保、経済など様々な分野を扱う。

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