昨年11月に全羅南道長興郡に竣工した18メガワット級風力発電所全景(画像提供:wowkorea)
昨年11月に全羅南道長興郡に竣工した18メガワット級風力発電所全景(画像提供:wowkorea)
「危うく0ギガワットという数字を発表するところでしたね」

これは韓国産業通商資源部の「2021年再生可能エネルギー普及調査結果」を見た風力業界の関係者の話だ。産業部は2021年、韓国の再生可能エネルギー普及量が4.8ギガワットと暫定(ざんてい)集計され、普及目標の4.6ギガワットを達成したと発表したが、このうち風力発電の普及量は0.1ギガワットだった。

風力発電の普及量は、太陽光(4.4ギガワット)はもとより、その他(0.3ギガワット)の項目にもはるかに及ばなかったが、実はこれでも引き上げられた数値だ。エネルギー公団によると、2021年に新規竣工され商業運転に入った風力発電所はカンウォンド(江原道)テベク(太白)クンボン(金峰)風力発電所(24メガワット)、江原道ピョンチャン(平昌)郡チョンサン(青山)風力発電所(21.6メガワット)、チョルラナムド(全羅南道)チャンフン(長興)風力発電所(18メガワット)、チェジュド(済州道)プクチョン(北村)ソモ(西毛)風力発電所(3メガワット)の4か所で、補給量は66.6メガワットだった。

これをギガワット(1ギガワット=1000メガワット)に換算すると、2021年の風力発電普及量は0.066ギガワットだが、再生エネルギー普及量を小数点一桁で発表する産業部は四捨五入して0.1ギガワットと発表した。18メガワット級の長興風力発電所が昨年11月に竣工し、かろうじて四捨五入のハードルを越えた。

風力発電業界のある関係者は「許認可規制や住民の苦情などの理由で事業進行に支障を来たしているプロジェクトが多く、昨年の風力発電所の新規建設はほとんど進まなかった」とし、「主要プロジェクトのうち1つだけでも日程が滞っていれば、風力発電の普及量は政府の統計上0ギガワットと発表される史上初の事態となっていた」と自嘲混じりに苦笑した。

風力産業協会によると、韓国政府が「2020年再生可能エネルギー計画」を発表した後、風力発電の普及量は2018年161.3メガワット、2019年191.0メガワット、2020年160.0メガワット、2021年66.6メガワットで、毎年100メガワット前後にとどまっている。同じ期間、太陽光発電は毎年4ギガワットほど普及し、ふたつの発電源の格差がさらに広がった。太陽光と風力の累積再生エネルギー設備(2021年末時点)はそれぞれ21ギガワットと1.7ギガワットで、12倍以上の差があると集計された。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107