かつて1970年代、タクシーの相乗りはタクシーが頻繁(ひんぱん)に停車し、料金算定上のトラブルが多発したことで、1982年に法律で禁止された。しかし、タクシーの相乗りは限りあるタクシー車両を効率的に利用できるという長所を持っている。このような理由から、ソウルのような大都市で発生するタクシー乗車難などの交通問題の解決策としてタクシーの相乗り合法化は絶えず提起されてきた。
ソウル市は深夜などにタクシーがつかまらない場合のために、タクシー利用者と同乗者を仲介する「呼び出しアプリ」を開発した。使い方は、タクシーの乗客が呼び出しアプリを利用するとタクシーの同乗が可能になる。ただし、無理な相乗りを防止するため、同乗の選択権はタクシー運転手ではなく「市民」が持つ。
同乗を希望する市民がアプリを利用してタクシーを呼び出すと、乗客を乗せたタクシーのうち、移動経路が類似した車両を自動的にマッチングする。料金も同乗者と折半するため、タクシーを1人で利用した時よりも半額程度安くなる。
今回のタクシー同乗サービスは、相乗りタクシープラットフォームの「パンバン(半々)タクシー」によってソウル市内の一部の地域でテスト運用された。この期間内に同乗サービスに大きな支障がないことが確認され、2021年7月に同乗サービスが合法化されたことで、今月28日から関連事業者はもとより、市民もこのサービスを利用できることになった。
ソウル市は今後様々な事業者がタクシー同乗プラットフォームに参加し、より便利なサービスを提供できるよう積極的に支援する計画だ。
テスト運用期間中に実施された同乗タクシーサービスは、アプリで同乗呼び出しを選択すると、乗客と動線が70%一致するタクシーを自動でマッチングした。料金も利用距離に比例して自動算出された。
安全への懸念を解消するため、人的情報も公開する。タクシーの乗客が他人と同乗することからくる不安感や、犯罪にさらされやすいという安全上の問題を解消するため、実名でのみアプリに登録できるようになっている。また、本人名義のクレジットカードを決済手段として登録し、本人確認された人だけが利用できる。このほか、先に乗った乗客と同じ性別の乗客に限って相乗りが可能となっている。
ソウル市都市交通局のペク・ホ室長は「IT技術を利用したタクシーの同乗促進は、タクシーの相乗り問題を解決する出発点になる」とし、「ソウル市の深夜のタクシー乗車難の解消とタクシー事業者の収入増大にも一役買うものと期待している」と述べた。
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