韓国社会がこの2年間、確固とした努力を傾けて新型コロナと戦ってきたが「まだ最悪の瞬間は来ていない」というのが防疫専門家たちの見解である。これは「デルタ株より感染力が3倍も強いオミクロン株が、新型コロナのピークとして迫っている」という意味である。そのような兆候は、世界の至る所で表れている。日本では一日500人ほどの感染者数であったのが、わずか一か月の間に数万人にまで急増した。韓国も感染者が増加している。「今後感染者が1万人を超え、2月中旬から末には2万人に達する」という予測も出ている。「3月初めには最悪の場合、9万人も覚悟しなければならない」という分析にはぞっとさせられる。
「オミクロン株の重症化率はデルタ株より低い」と安心するのは禁物である。米国など海外の事例をみると、オミクロン株の流行により入院患者数がこれまでより2~4倍も増加するパターンが示されている。韓国では先日7000人台の最多感染者数が発生した時には、重症患者が続出し病床が足りなくなり慌てふためいていたのに、2万~3万人も発生すれば今の医療システムでは対応するのは困難である。これを打開しようとすれば、在宅治療と地域の病院・医院レベルの医療機関の役割が、今よりもかなり強化されなければならない。在宅治療患者たちを速やかに分類し、投薬と転院決定を下す専門医療機関を各地域に立てるというきめ細かい医療伝達体系を、一日も早く備えなければならない。そうしてこそ、限定された防疫力を高危険群を中心に投入する余力が生じることになる。
オミクロン株の低い重症化率と死亡率・完治した感染者の免疫効果・経口治療薬の投入などをあげ「新型コロナの年内終息」という楽観論を唱える人たちもいる。しかし今は、最悪の状況を想定しなければならない。以前には「10年間隔」といわれていたが、今では「6年間隔で感染症危機がやってくる」といわれている。長期的戦略と科学的思考により、だんだんと早くなっている感染症の流行周期に対応する体制を整えなければならない。
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