しかし、金融業界は新型コロナ融資の与信比率には盲点があると指摘する。金融委員会は3か月以上延滞が発生し、休業・廃業などの債権回収に相当な危険が発生したものと判断される与信を基準に返済困難以下の与信比率を集計した。これには店は閉めたが、廃業申告を終えておらず、返済困難以下の与信に分類しなければならないにもかかわらず正常だとして管理する「外観のみ正常」な融資残高は入っていない。
新型コロナ融資の融資返済が滞る可能性を調べるためには、このような「外観のみ正常」な融資残高を正確に把握しなければならない。しかし、金融当局はもちろん、各金融会社も正確な規模を把握していない。
ある銀行の関係者は「銀行が自営業者に事業者向けの融資を行なう際、事業者登録されているかどうか、1年の売上内訳、個人の借り主の信用等級、他行への負債状況などをすべて把握する」、「これをもとに融資の満期を延長するか、延長しても金利引き上げや融資限度の縮小と同じペナルティーを付与するかどうか、融資の一部を回収するかどうかなどを決めるが、新型コロナ融資に関しては、このような審査なしで満期延長や元利金返済猶予をせよという措置であり、債権管理がなされていない」と説明した。
それでも満期延長と元金返済猶予は管理が可能だ。元本や利子の返済を着実にしているかを通じて借主の返済能力を見極めることができる。
問題は利子返済猶予支援を受けている借り主だ。利子さえも支払われていないと、金融機関としては借り主の返済能力を把握する術(すべ)がない。店を閉めても廃業届けを出さなければ、毎月返済される元利金(元本と利息)が0ウォンでも債権は「正常」に分類される。「外観のみ正常」の債権の大半は利子返済猶予を受けた借り手である可能性が高い。2020年4月に支援が施行されてから6か月ごとに措置が延長された時、金融業界が「利子猶予支援だけは終了しなければならない」と声を高めた理由だ。金融業界の関係者は「利子も払えないとなると、事実上『返済不能な借り主』に相違ない」と語った。KB国民銀行、シンハン(新韓)銀行、ハナ銀行、NH農協が2020年4月から利息返済猶予支援を行った融資残高は昨年11月末現在で8355億ウォン(約810億円)だ。
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