韓国政府、朴槿恵前大統領・韓明淑元首相ら3094人を「特別赦免」…朴前大統領は31日に出所

ムン・ジェイン（文在寅）大統領はパク・クネ（朴槿恵）前大統領の赦免を電撃的に決定した。健康悪化と次期大統領選挙の政局を考慮した決定とみられる。

政府は31日付で中小企業人・小商工人ら庶民生計型の刑事犯、特別配慮受刑者、元大統領などの主な要人、選挙事犯、社会的闘争事犯ら3094人に対する特別赦免を24日断行した。新年特別赦免には朴前大統領とハン・ミョンスク（韓明淑）元首相が含まれた。一方、イ・ミョンバク（李明博）元大統領は含まれなかった。

法務部（部は省に相当）は、「過去の不幸な歴史を歩んできた国民が力を合わせ、統合された力で新型コロナウイルスの拡散とそれによる汎国家的な危機を克服し、未来に向けた新たな歩みを始めるきっかけをつくるため、朴前大統領を特別赦免および復権させ、韓元首相を復権させた」と説明した。

朴前大統領は、赦免や仮釈放がない場合、87歳になる2039年に出所する予定だった。

法務部は国民統合の観点から、長期間受刑生活を送っている元大統領ら主な要人2人を赦免・復権の対象に含めた。法務部は、「選挙犯罪により処罰された政治人などに対する赦免を通じ国の発展に再び寄与できる機会を与え、社会的闘争事件の関連者から対象者を厳選して赦免を実施し、社会的闘争の治癒と地域共同体の回復を図った」と明らかにした。

また、労働尊重社会を実現するための努力と和合の観点から、労働界の要人、市民運動家2人を赦免し、堕胎罪と関連した憲法不合致決定の趣旨を考慮し、堕胎罪で処罰された対象者を厳選し、1人を復権の対象に含めた。

人道主義的な配慮の観点から、重症疾患のある受刑者、生計型窃盗事犯の受刑者なども赦免の対象に含めた。

キム・ブギョム（金富謙）首相はきょう、政府ソウル庁舎で開かれた臨時国務会議で、今回の特別赦免と関連し、「2022年を前に、新型コロナウイルスで困難な状況にある庶民の民生安定と、国民の団結を図ろうということにその趣旨がある」と強調した。