故キム・ギドク監督の親戚、セクハラ被害者への「悪質コメント」で賠償判決=韓国(画像提供:wowkorea)
故キム・ギドク監督の親戚、セクハラ被害者への「悪質コメント」で賠償判決=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国の映画監督、故キム・ギドク氏の性的暴力疑惑を提起した被害者が自分に悪質コメントをしたキム氏の前妻の親戚を相手取って起こした損害賠償控訴審で一部勝訴した。

 21日、裁判所によるとソウル南部地裁はことし9月、性的暴力被害者A氏がキム氏の親戚B氏を相手取り起こした1000万ウォン(約100万円)の損害賠償請求訴訟控訴審で原告一部勝訴と判決した。

 控訴審裁判部は「原告と被告の告訴をいずれも棄却する」とし、「一審判決は正当だ」と判断。これにより、ことし2月9日、A氏に300万ウォンの賠償を命じる原審の判決が維持される。

 これを前にA氏は2013年、映画「メビウス」の撮影現場でキム氏が感情移入のために自分の頬を叩いて、台本になかったベッドシーン撮影を強要したと暴露。その後、2017年に暴行と強要、強制わいせつ致傷などの容疑でキム氏を告訴した。

 裁判所によるとB氏はA氏が性的暴行の事実を暴露した後、メディア報道がでると「まもなく反転があるだろう。私もフェミニストだが、女性団体が今回は間違えた。私も聞いたことがある」、「この事件も最後まで行かなくてはならない。魔女狩りかもしれない」など8回にわたって悪質なコメントを作成した。A氏は性的暴行によって深刻な恐怖症に苦しみ、心理相談の治療も受けたという報道内容について、B氏は「精神的に問題あり。病院に通え。あなたは正気ではない」という書き込みをしていた。

 裁判部は「人格的価値に対する社会的評価を損なうような書き込みを作成し、A氏を侮辱した事実を認める」とした上で、「これにより、A氏が精神的苦痛を受ける可能性があると判断し、その損害を賠償する責任がある」と説明した。

 また「コメントをした経緯と内容、表現のレベルなど様々な事情を考慮して、B氏がA氏に支払う慰謝料の金額は300万ウォンとするのが妥当だ」とし、「悪質なコメント作成当時、このような表現方法を使わなければならなかった緊急な事情があったとは考えにくい」と付け加えた。

 B氏は昨年2月にも悪質なコメント作成で略式命令を受けたことがわかった。昨年2月、大邱地方裁判所はB氏のコメント作成行為が犯罪との事実を認め、侮辱罪で罰金100万ウォンの略式命令を下した。

 一方、キム氏の性的暴力疑惑と関連し、検察は性的暴力関連容疑に対しては証拠不十分で嫌疑なしの処分を下し、暴行容疑だけで罰金500万ウォンの略式起訴し、裁判所で有罪が認められた。その後、A氏を誣告(ぶこく)の疑いで告訴したが、検察は不起訴処分を下した。キム氏は昨年12月、新型コロナウイルス感染と診断され、海外で死亡した。


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