こうした中、中古取引サイトで「防疫パス」を売買しようとする動きがみられ、不正使用により防疫に「隙」ができることが懸念されている。
中古取引プラットホーム「にんじんマーケット」によると、最近「接種完了者のネイバーのIDを5万ウォンで貸します」という出品が掲載された。ワクチンの未接種者が接種証明書を借りて使用しようとするものだ。
この掲載画面をキャプチャーしたものが今月16日にオンラインコミュニティに掲載された。この日は政府がワクチン未接種者に対し、食堂やカフェなどの利用を制限する「ソーシャルディスタンス」の再施行を発表した日でもある。
実際にワクチン接種者が自分のアカウントを未接種者の知人に貸したり、PCR検査の陰性確認メールを他人と共有するなど、防疫パスを無力化させる行為が少なくない。
今月17日、連合ニュースはワクチンの未接種者が本人名義以外の携帯電話やキャプチャー画面などを提示しても、これを本人以外のものと判別することは難しいと伝えた。
プサン(釜山)市トンネ(東莱)区で食堂を経営しているAさんは防疫パス施行2日目の14日、客のパスを確認していた時に、この問題点に気づいた。4人のグループ客を迎えた際、ワクチン接種の認証アプリ「クーブ(COOV)」の提示を求めたところ、1人の客の名前がアプリに表示された名前と一致しないことを発見したためだ。
この客は「個人的な事情で家族の携帯電話を持って来ただけで、2回目のワクチン接種を完了している」と話し、「店に入れてほしい」と主張したという。店主のAさんは「他人名義の携帯電話を使うなら証明書を発給してもらえばいいと話したが、受け入れてもらえなかった」と語り、「営業に支障が出ることを恐れ、4人のグループ全体の入店を断った」と伝えた。
この日、各種のコミュニティ掲示板やSNSなどには、飲食店の入店を拒否されたワクチン未接種者らによる書き込みが相次いだ。1回目の接種を終えたというあるネットユーザーは「食堂から追い出された。1人で食事しようとして行ったが、2回目の接種が完了していない人は入店させないという話だった」と苦言を呈した。
また別の未接種者も「ひとりご飯の客はすべての食堂で断っていた」と怒りをあらわにした。
あるオンラインコミュニティサイトでは「ひとりご飯」を拒否する食堂の主人に対する意見を問う投票も行われた。これについて回答者の半数以上にあたる54.4%が「明らかに問題がある」と答えた。書き込みには「ワクチン未接種者が感染させるわけではないのに」「そんな店にはコロナ禍が終息しても行かない」など否定的な反応が相次いだ。
さらに、未接種者を拒否する食堂のリストを公表するSNSアカウントまで登場した。このアカウントでは「一人で利用しようとする未接種者」や、「PCR陰性確認書を所持している未接種者」などの入店を拒否した店舗の情報を得て、これをリスト化して公表していると伝えられた。
一方、証明書の偽造は刑法で10年以下の懲役を規定されており、感染病予防法違反で10万ウォン(約9500円)の過料を科される場合もある。また、他人の証明書を盗用した場合、2年以下の懲役や禁固、または500万ウォン(約47万円)以下の罰金が科される。
現在、防疫当局はこうした偽造・変造および盗用を防ぐため、防疫パスの提示とともに身分証明書の確認を原則としている。しかし、「客に身分証明書まで要求することに負担を感じる」という自営業者も多く、守られていないのが実情だ。
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