どこにもない空車… 営業制限・3部制を廃止したが、依然としてタクシー不足=韓国(画像提供:wowkorea)
どこにもない空車… 営業制限・3部制を廃止したが、依然としてタクシー不足=韓国(画像提供:wowkorea)
「どうしてもタクシーが捕まらないので、車で15分で行ける距離を2時間かけて歩きました」

オ・セフン の最新ニュースまとめ

 先週末の夜12時ごろ、ソウル龍山区で会合を終えた李さん(28)は「タクシー不足」を実感した。アプリでタクシーの呼び出しは失敗し、場所を移動しながらタクシーに乗ろうとしたが空車はどこにもなかった。結局、バスを3回乗り換えた上、40分歩いて家に帰ったという。

 今月から施行された段階的な日常回復(ウィズ・コロナ)以降、李さんのように、夜の時間帯にタクシーを捕まえられず苦労したという「苦労話」が相次いでいる。

 飲食店や飲み屋などの営業制限が緩和され、深夜飲み会を終えてタクシー利用者は増えたものの、タクシーの運行台数はコロナ禍以前より減ったためだ。

 韓国メディアの世界日報は17日、ソウル市などによると「ウィズ・コロナ」政策が施行された今月(1~7日)に入って、時間帯別タクシー平均営業件数が2万8972件で、先月(1万6510件)に比べて75%ほど増えたと報じ、このような市民の苦労話を紹介した。

 実際、11月から深夜時間帯(午後11時~午前4時)のタクシーは前月より36.9%(4448台)増え1万6519台を運行しているが、コロナ以前の2019年と比べると5551台足りない状況だ。法人タクシーに限ると、2019年3万527人だった運転手数が、今年10月基準で2万955人と30.4%も減少した。

 ソウル市は、深夜のタクシー不足が深刻化すると、特別対策を打ち出した。

 17日、ソウル新聞によると、16日から来年1月1日まで、ソウル市が個人タクシーの3部制を一時廃止する。個人タクシーは、運転手の過労防止や需給調整などを理由に、2日間運行すれば、3日目は必ず休まなければならない。一時廃止期間中は、休業中のタクシーでも午後9時から翌日の午前4時まで営業できる。市は今回の措置で、約2000台が追加で利用できるものと見ている。また、法人タクシーの運転手を拡充するため、来月初めに、ソウル市254のタクシー法人が参加する「タクシー運転手採用博覧会」を開く。来月から1か月間の深夜「ふくろうバス」運行も拡大する。

 しかし、タクシー業界もこのような対策では、増えた需要に追いつくのは難しいと見ている。コロナ禍の長期化で、法人タクシー所属の運転手のうち相当数が収入や処遇が良いとされる配達や宅配業などに移ったためだ。

 法人タクシー連合会のある関係者は「コロナ禍で収入が減り会社運営が難しく廃業する所も続出している。多くの人が宅配業に移った」と伝えた。ソウルのあるタクシー法人で5年近く運転手をしていたという李さん(69)も「今も人がいなくて会社のタクシーの半分以上が運行できずにいる」とし、「年齢のため受け入れてくれる所がないだろうが、私も宅配かバス業界に移ったと思う」と話した。

 全国タクシー運送事業組合連合会のある関係者は「タクシー業界を生かすためにはタクシーを法的大衆交通手段に指定して、体系的に育成・支援しなければならない」と述べた。またソウルタクシー業界はオ・セフン(呉世勲)ソウル市長の選挙公約でもあったバス・地下鉄とタクシー間乗継割引制導入を要求している。しかしソウル市は、追加検討をしなければならないという立場だ。

 全国民主労働組合総連盟公共運輸労組タクシー支部のイ・サムヒョン政策委員長も「タクシー業界の賃金条件を改善しなければ供給不足現象は続く」とし、「月給制導入を定着させるためには賃金支給の基礎となる、みなし労働時間を週40時間(現在は日2.5~5時間)以上に確定しなければならない」と述べた。
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