中国恒大危機が見せた信用格付けの重要性=韓国報道(画像提供:wowkorea)
中国恒大危機が見せた信用格付けの重要性=韓国報道(画像提供:wowkorea)
最近、中国恒大集団の債務不履行の可能性が出て、世界第2位の中国社債市場の信用リスクに対する懸念が高まっている。恒大の利払い猶予によって内外の金融市場が大きく混乱し、その後利払い状況が連日話題に上っている。このような事態で改めて浮き彫りになるのは信用格付けの重要性だ。

信用格付けの重要性を示す2つの事例を見てみよう。ひとつは、恒大が発行した社債信用格付けの変化だ。恒大が発行した外貨建て社債は、グローバル信用格付け会社から「投機等級」であるBBの評価を受けて発行された。投機等級債券は市場環境の変化によって債務不履行の可能性が比較的高い債券を意味する。最近、債務不履行の可能性が報じられた時点で、恒大の格付けはCCCへと格下げされた。S&PからCCCの評価を受けた企業が1年以内に不渡りが発生する確率は35%に達する。信用格付けの変化の推移を見ると恒大の財政悪化が突然発生したものではないことが分かる。一般的に、大規模な信用事件が発生すれば、信用格付け会社の不十分な信用評価能力を非難することが繰り返されているが、恒大の場合には投資家が信用格付け会社に責任を転嫁するのは難しいものと見られる。

ふたつ目の事例は、中国の格付け会社各社の「格付けインフレ」の結果だ。中国は4つの自国の信用格付け会社が信用評価市場を独占している。信用格付け会社間の営業競争が激化し、発行する債券の半分以上がAAAの評価を受けた。このような状況で最近AAA等級を受けた一部の国有企業の不渡りが発生し、いくつかの信用格付け会社は規制機関から制裁を受けた。

多数の投資家を対象に発行される社債は、すべての投資家が信用度を分析する代わりに、専門の信用格付け会社が信用等級を付与し、投資家はこれを参考に投資するのが一般的だ。信用格付け会社は企業の信用度に影響を及ぼす様々な情報に基づいて専門家が償還可能性を判断し、委員会の審議を経てAAAからCまでの信用格付けを行う。格付けが正確に行われているか、格付けの変更が随時検討されているかによって、格付け会社の評判が作られ、これが積もって格付け会社の信用度になる。信頼される格付会社は一朝一夕には作られない。

多くの企業は発行した債券を償還するが、急変する金融環境によって不渡りが発生することもある。社債投資家は自己責任で投資をするが、信用事件が発生すれば、信用格付け会社がそのスケープゴートになることもある。世界金融危機当時、世界3大格付け会社であるS&Pやムーディーズ、フィッチは、誤った格付けによりサブプライム問題を引き起こした主犯だという批判を受けた。韓国の信用格付け会社も多大な試練を経験した。通貨危機から建設会社の相次ぐ不渡り事態、トンヤン(東洋)グループ危機に至るまで、大手企業の不良債権が発生すれば例外なく信用評価の誤りを指摘され、信用格付け会社への規制が強化されたりもした。

幸いにも最近、国内の信用格付け会社に対する信頼度は高まってきている。ここ数年間社債の不渡りがほとんど発生せず、信用格付けの正確性が向上したためだ。韓国の信用格付け会社は、評価の質を向上させ、市場参加者の信頼を得るために激しい競争を繰り広げている。このような信用格付け会社の絶え間ない努力が信頼度の向上という成果を生んだものといえる。

これとともに社債市場の多様な参加者の関心と刺激も信用格付け会社の信頼度上昇に寄与した。まもなく32回目のイーデイリーの「SR(Survey of Credit Rating)」の結果が発表される。クレジット債権市場の専門家たちの知見を通じて、信用評価の過程と結果に対する市場の意見を提示するSRのような行動も、国内の信用格付け会社の質的な競争を刺激し、信頼度を高めるのに一助を添えているものと見られる。
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