実際多くの人々は新型コロナの感染から回復した後にも、記憶力減退や集中力低下などの認知問題を経験していることがわかった。このような症状は「ブレインフォッグ」といわれていて、頭に霧がかかったようになる症状をいう。考えが鈍ったり集中力がなくなり、記憶力が低下したと感じたり疲労感・眠気などの症状が続く。ブレインフォッグは疾病に分類されていないが、脳の炎症に関連があるとして、ブレインフォッグを長く放置していると認知症へと進行するリスクが高いともいわれている。
新型コロナの後遺症としてブレインフォッグを経験する人々が増えていることから、科学者たちはその理由を知るために研究し、新型コロナが脳になんらかの影響を及ぼすという様々な証拠を発見した。
人の脳には「血液脳関門」があり、脳に外部物質が入ってくるのを防ぎ、細菌やウイルス・有害な化学物質などから脳を保護する。まだ、新型コロナウイルスが血液脳関門を通過して神経細胞を直接感染させるという決定的な証拠は見つけ出せていない。
ただ、嗅覚神経を通じて脳まで到達する可能性があるという仮説はある。2020年11月ドイツ・ベルリン シャリテ医科大学の研究チームは、新型コロナにより死亡した33人の組織サンプルを分析した。その結果、嗅覚の粘膜から最も多い新型コロナウイルスが検出された。研究チームはこれを基に、新型コロナウイルスが嗅覚の粘膜へと侵入した後、嗅覚神経を利用して脳に到達すると推定した。
またそれ以外にも、他の経路を通じて新型コロナウイルスが脳の他の細胞を感染させ、ブレインフォッグを誘発するという研究結果がいくつか出ている。
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