中国の台頭が韓国の雇用基盤に与える影響はまだわずかなものだが、今後は否定的な効果が大きくなる可能性が高いとの研究結果が出た。ソウル大学のキム・デイル教授が27日、韓国開発研究院(KDI)が発刊した「KDI政策フォーラム」で中国との貿易、国際市場での競争、中国への直接投資の3つの側面から誘発される国内労働市場効果を実証的に分析した結果、こうした結論に至ったと明らかにした。
 中国との貿易については、韓国の対中貿易収支が黒字を維持し1989年から2004年までは毎年平均0.5%の雇用創出基盤拡充効果があったと推定された。

 これに対し、国際市場での競争面では中国が韓国の輸出市場を侵食し、国内雇用創出基盤を委縮させる効果が大きかった。

 キム教授は、1993年以降中国による韓国の輸出市場侵食効果は年平均6.9%に達しており、1993年から2004年までの累積効果は153兆ウォン(約18兆9436億円)と算出された。これにより、1993年以降の雇用創出基盤委縮効果は年平均0.4%に達し、毎年0.04ポイントずつ上昇すると分析された。キム教授は、1993年から2004年までの累積効果は2004年ベースで117万人に上ると説明している。中国との競争レベルが1992年水準にとどまっていた場合、輸出増加を通じ2004年には117万人の雇用増が見込めたことになる。キム教授は、この効果は高学歴・高技能を持つ労働者で急増しており、今後は全水準の労働者に対する雇用基盤が委縮する可能性があると指摘している。

 このほか、中国への直接投資も韓国の雇用創出基盤を持続的に委縮させているが、当初の予想に反し製造業の共同化を誘発するほどではないと分析された。中国への直接投資額は2004年ベースで2兆ウォン程度で、投資を通じ創出され得た国内雇用基盤は雇用規模全体の0.08%に当たる1万8800人と推定された。

 キム教授は、中国の豊富な労働力と急速な技術進歩による産業化を考慮すると、韓国の伝統的な輸出産業において中国がやがて韓国の技術力と生産力を追い越す可能性が大きいと強調した。その上で、中国と差別化された新産業への構造調整が目下の課題だと指摘している。


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