大手ベーカリー・チェーンで突然の「パン騒動」、韓国で増える労組問題=韓国(画像提供:wowkorea)
大手ベーカリー・チェーンで突然の「パン騒動」、韓国で増える労組問題=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国大手ベーカリー・チェーンの「パリ・バゲット」で、突然の「パン騒動」が起きている。全国パリ・バゲット加盟店にパンを配送する貨物連帯所属の一部配送運転手がストライキに突入したからだ。配送ストップは、その被害がそのままパリ・バゲットの加盟店が抱えることになった。経済紙のエコノミストなど、複数の韓国メディアが伝えた。

 エコノミスト紙は17日、そもそも葛藤の始まりは配送業者間の利権争いだと報じた。社側と配送コースを調整し、増車などの運営方針を協議する中で、韓国労働組合総連盟(韓国労総)所属と全国民主労働組合総連盟(民主労総)所属の配送運転手の間で意見が分かれたのが始まりだという。配送コースが片方の労組所属運転手に有利だという理由で、その調整を社側に求めたが満足するような結果がでないことで、ストライキが長期化した。

 ストライキが全国に広がり、加盟本社であるSPCグループもこれ以上黙っていることができなくなった。配送により加盟店主の被害が大きくなると、今月16日に全国11の運送業者と契約を解除した。SPCはストライキによる被害について、損害賠償を請求する予定だという。

 こうした中、労組に所属していない運転手が暴行を受けるなど、労働組合によって様々な副作用が起きている。

 韓国日報は17日、世宗警察署の発表を引用し、今月15日午後9時ごろ、世宗市内の道路でパリ・バゲットの商品を配送中だったAさんが、貨物連帯の組合員に暴行を受けたという通報が寄せられたと報じた。Aさんはこれによって目のまわりに、けがをしたという。 Aさんは一部の組合員が、サイドミラーなど車の一部を破損したとも訴えた。

 ビジネスポスト紙も同日、他社の例として労組によるトラブルを伝えた。同紙によると、現代製鉄・唐津工場の職員が、協力会社の職員による唐津工場統制センター占拠などの不法行為の中止を求めたという。

 現代製鉄の社員は17日、声明書を通じ「協力会社の社員によって、違法に事務所を占拠されてから20日以上もたっている。正常な勤務を妨害され、精神的・肉体的に多くの困難を経験している」と訴えた。

 今回の声明は、現代製鉄の協力会社職員が加入する全国金属労働組合・現代製鉄非正規職支会所属100人が、8月23日から統制センターの建物を無断で占拠し、座り込みを行っていることに対応して発表された。

 一方、創立以来初めて労組と賃金交渉に突入したサムスン電子も、労組の過度な要求案に頭を痛めている。

 14日、経済紙のイーデイリーによると、労組が公開した賃金交渉案が明らかになり、論争になっているという。複数労組のうち、規模が最も大きい全国サムスン電子の労組が、年収1000万ウォン(約90万円)の引き上げや自社株、コロナ禍での激励金支給など、過度な条件を掲げたためだ。サムスン電子社員の間からも「歓迎する」、「非現実的だ」という異なった反応があらわれる中で、本格的な労使交渉を前にして緊張感が高まっている。

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