まずNHK報道内容はこうだった。菅首相が「コロナ対策に専念するために総裁選挙に不出馬する」とし「来週にも記者会見を行う」と言う。「これで記者会見を終了する」という首相官邸の女性職員の案内が終わるやいなやNHKは中継を終えた。
これがなぜ問題視されたか。民営放送・日本テレビ(日テレ)の「ニュースZERO」を見てみると、確実に違いがある。日テレは日本最多発行部数の日刊紙・読売新聞の系列会社で、スポーツや娯楽番組が強い。ニュース報道も硬くしすぎずに楽しく報道することで有名である。ニュースZEROの報道では、菅首相が発言を終えて、別の質問を受けずに退場し、記者たちが叫んでいる姿を最後まで見ることができる。
「首相!今日は最後まで答えてください」「丁寧な説明をお願いします」などの記者の質問がテロップで表示される。さらに「責任を放棄するのですか」という質問が投げかけられる。続く番組出演者のコメントでも「説明は2分もなく終わった」と指摘される。
事実、菅首相の辞任決定は突然で、多くの疑問を残した。前日までは次期自民党総裁選に意欲を見せていたのに、突然の変化の背景に注目された。菅首相が説明するように、「コロナ対策と総裁選を並行するのは難しいこと」であることは確かだが、いきなり難しくなったわけではないはずだ。自民党内部も混乱に陥るほどの決定を下したことについての説明が十分でないという疑問の声は続いている。
記者会見がわずか2分で終了したことも首相が事実上の退陣を宣言したものとしては全く足りないという指摘だ。3日午後1時に菅首相は、自分の辞任に関して短く立場を表明した後、記者団の質問を受けずに席を離れた。菅首相の慢性的な問題である「大衆と効果的にコミュニケーションしていない姿勢」(英国エコノミストの指摘)が辞退宣言でも示されたわけだ。
日本国民がNHKに不満を感じた点もまさにここにある。菅首相が国民と接する姿勢にどのような問題があるのか、NHK報道では報道されないばかりか、放送する考えすらないように見えるということだ。
日テレが特有のユーモアとジャーナリズム精神的に視聴者の心を惹きつけた時、報道中心の公共放送NHKは誠意のない報道をしたという批判が起きている。
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