2012年に韓国人女性と結婚した後、韓国で居住しているモロッコ人のA氏は今年3月、あるマンションで引っ越しの仕事をしているときにひどい目にあった。初めて見る通行人が近づいて来て、いきなり悪口を言ったのだ。
警察官らは出動して約10分でミランダ原則の告知もなくA氏を現行犯で逮捕し、通訳を通さずに調査を受けた。通行人はA氏が悪口を言いながら胸部を押す暴行をしたと主張したが、A氏は嫌疑なしの不起訴処分となり、通行人もそのまま家に帰った。
今月26~27日に「特別寄与者」の身分で390人のアフガニスタン人が入国した。外見・服装・文化まですべてが見慣れない人々の命を救い、人類愛を実践したことに伴う好評が続いているが、これらの人々が今後韓国社会で適応できるか、問題を起こさないか懸念の視線も少なくない。
特に、新型コロナウイルス以降、「非白人」の外国人を対象にした嫌悪と犯罪が増加する状況で、アフガニスタン人の入国は外部の人との共生というテーマを投げかけている。
実際に新型コロナウイルス以降、外国人が受けている嫌悪と脅威は深刻な水準であることが分かった。国家人権委員会が最近アジア圏の外国人307人を対象に実施したアンケート調査の結果、「新型コロナウイルス以降、日常で差別を受けた」と答えた人々が全体の60.3%を占めた。
差別を受けた場所は△レストラン・路上・公共交通機関などの大衆施設(31.5%)△職場(18.9%)△医療機関(8.3%)など生活するほぼすべての場所だった。しかし、大半が法的な対応ができていないか、できたとしても加害者が略式起訴などの軽い処罰を受けることがほとんどであったことが分かった。
新型コロナウイルス以前から多くの外国人は、韓国人が避けるような仕事に就きながら共同体の一部を担ってきた。このため、これらに対する嫌悪が深まれば、社会的不安は増えることになり、国家的損失につながる可能性があるという指摘が出ている。
明知大学校・中東問題研究所のチョン・サンニュル教授は、「コロナパンデミックを経て外国人に対する排他性が攻撃性に変わることが増えている」とした。
また「有数の先進国でさえも成し遂げることができなかった今回のアフガニスタン人救出作戦をきっかけに、国の品格に合わせて外国人嫌悪に対する社会的認識を転換しなければならない」と強調した。
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