フフシルで繁殖活動を終えた「チルー(チベットカモシカ)」が大移動=中国報道(画像提供:wowkorea)
フフシルで繁殖活動を終えた「チルー(チベットカモシカ)」が大移動=中国報道(画像提供:wowkorea)
中国の「三江源国家公園管理局」によると、フフシル(チベット高原北部の広大な無人地帯)における今期の「チルー」(別名「チベットカモシカ」)の大規模な繁殖活動とそれに伴う大移動が終わったことが分かった。同地区におけるチルーの個体数は徐々に増えているという。

 チルーの大移動は、有蹄類の動物としては世界的に見ても最も規模の大きいものと言われる。フフシルの管理当局は今年5月2日、メスのチルーが「青蔵鉄道」「青蔵公路」を越え繁殖地であるフフシル・卓乃湖を目指して移動している姿を観測していた。7月上旬には、出産を終えたメスが生息地への帰還を始めていた。

 「フフシル管理処」の任布周主任は、「チルーの繁殖活動は終了したようだ。ここ数日間、メスのチルーたちが子どもを連れて生息地へ帰る姿が確認されている。8月16日までに、生息地へ向かうチルーは6185頭確認されおり、これは去年と比べ233頭多い数だ」と述べた。

 中国の「国家一級保護動物」であるチルーは、チベット高原の生態系バランスを維持するために重要な動物とされる。チルー保護の専門家である「陝西省動物研究所」の呉暁民研究員は、「保護活動により、ここ数年でチルーの移動範囲は広がっている。生息地へ帰還する個体数も持続的に増加しており、繁殖地・生息地・移動経路での保護活動が成果を上げているようだ」と話す。
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