朴元淳、元ソウル市長(画像提供:wowkorea)
朴元淳、元ソウル市長(画像提供:wowkorea)
故パク・ウォンスン(朴元淳)元ソウル市長からセクハラを受けていた被害者の身元をインターネット上で公開し、性暴力処罰法違反容疑(被害者の身元とプライバシーの秘密漏洩禁止など)を受けている主婦の崔某被告(47)に対し、韓国検察は懲役1年を求刑した。

23日、ソウル東部地裁で行われた初公判で検察は「伝達力の大きいインターネットを通じて身元を直接に掲載し、被害者のAさんは改名まですることになった」とし、「この過程でAさんが経験した苦痛は相当なものと思われ、『2次加害』については厳罰に処する必要がある」と求刑の理由を明らかにした。

この日、崔被告は泣きながら「もしも、あの時の行動がこんなに間違っていることだと分かっていたら、絶対にしなかった」とし「昨年は尊敬する方(朴元市長)が亡くなり、兄が急死するなど、私にはとてもつらい状況だった。2度とあのようなことはしない」と善処を訴えた。

崔被告側は検察の公訴事実をすべて認めた。 崔被告側のチョン・チョルスン弁護士は「昨年(家族が死亡するなどで)精神的に不安な状態になり、あのようなことを犯した点を理解してほしい」とし「当時、Aさんがどんな人なのか、どんなことがあったのかについてはAさん側のメディア報道などを通じて問題化し、国民が知りたいと思わざるを得なかった」と付け加えた。

Aさん側のキム・ジェリョン弁護士は法廷で「懲役刑の実刑判決を求める」とし「被告人の行為により、被害者は30年以上使用してきた自身の名前を変えなければならない状況に至った」と厳罰を促した。続いて「今回の事件を厳罰にしなければ、数多くの威力による性暴力の被害者に『声を上げると自分が傷つくことになる』というシグナルと共に、口をつぐませることになるのはもちろん、権力者を追従する支持者たちに(被疑者の身元を公開しても)数百万ウォン(約数十万円)の罰金を払えば済むことと認識される」と付け加えた。

Aさんはこの日の裁判で弁護士を通じ「申告者の身元を保護する韓国の法を信じ、仮名で調査を受けた」とし「そのような法を無視し、私の人生を台無しにした行為については厳罰に処してほしい。仮名調査を受けた者の身元が公開されたのに処罰されなければ、誰がこの制度を信じることができるのか」と考えを明らかにした。

これに対し、チョン弁護士は「『申し訳なく思う。苦痛を受けたのなら謝罪する』と何度も話をしているのに、Aさん側は『謝罪していない』と言っている。被害者側の弁護士が知らせてくれれば謝罪の電話をかける用意はできている」とし「裁判所の判断を待つ」と述べた。また「Aさんが名前を変えたことについては理解できない」とし「Aさんを社会から隠してしまった人は事実を虚偽歪曲(わいきょく)したAさん側の弁護士のせいだ」と批判した。

これに先立ち、キム弁護士は裁判前にヘラルド経済の取材に対し「Aさんは法に定められた手続きに従い、届け出をした被害者であるにもかかわらず、このように実名が公開された被害はかなり大きい」とし「Aさんが平凡な日常を取り戻すのに本来の名前を使うことができないほど、大きな被害が発生した」と述べた。

崔被告は、昨年8月から10月にかけて自身が運営するSNSやブログなどに、Aさんの実名や具体的な所属を公開した容疑で今年6月末に在宅起訴された。このSNSには朴元市長の支持者が1000人以上参加しているという。

Aさんは昨年10月、自身の身元を公開したと疑われる姓名不詳者2人を警察に告訴した。警察の捜査の結果、姓名不詳者2人は同一人物の崔被告だったことが明らかになった。警察は今年3月、崔被告を起訴意見で検察に送検し、裏づけ捜査により崔被告は裁判にかけられた。

崔被告に対する判決期日は9月9日の午後2時と予定されている。

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