一般的に、重量挙げは筋力や瞬発力など身体能力が大きな影響を与える種目とされる。近年、重量挙げで禁止薬物服用事件が起きたのもこれと無関係ではない。
その延長線で、男性から女性に性転換したトランスジェンダーの女性選手は、男性のときの体格を持っているため、ハバード選手の五輪参加が公正かという議論は続いている。
国際オリンピック委員会(IOC)は、2004年5月スホルム合意を通じて性転換手術の法的性別訂正、少なくとも2年のホルモン療法を前提にトランスジェンダーの選手のオリンピック出場資格を認めた。
2015年には「性転換手術を施行しなければならない」という条件をなくしホルモンの数値を新しい条件に設定した。
それでもハバード選手のオリンピックのニュースが伝えられると、議論が大きかった。議論の核心は、男性が女性に性転換をしても、生まれつきの身体的利点のため、他の女性の選手より有利だという主張だ。
しかし、男性から女性への転換が、必ずしもスポーツの試合での成功を保証すると断定するのは難しい。ハバード選手の場合も、世界15位圏にとどまっている。
2004年アマチュア陸上選手であり医学物理学者でもあるジョアンナ・ハーパーは、IOCが性転換手術やホルモン療法を前提にトランスジェンダーの選手のオリンピック出場資格を認めると、その年の8月から女性への性転換ホルモン療法を行った。彼は女性ホルモン剤と男性ホルモン抑制剤を投与して1年も経たずに、自分の10kmの記録が5分も伸びたことを確認した。
ハーパーは約7年間、性転換した女子選手8人を見つけて、その記録の変化を分析した。その結果、ホルモン療法を1年間実施するとテストステロンの利点が消えるという研究結果を発表した。
研究対象が非常に限定的だという限界があるが、ホルモン療法と競技力の相関関係に注目した最初の研究という点で注目を浴びた。
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