論文ねつ造などでソウル大学教授の地位を追われた黄禹錫(ファン・ウソク)博士が出願していた体細胞複製胚性幹細胞(ES細胞)に関する特許について、世界知的所有権機関(WIPO)が8日にウェブサイトを通じ、「全面不適正」との見方を示した意見書を公開した。
 この特許出願は、ねつ造発覚で掲載が撤回された2005年のサイエンス誌論文の内容を根拠としたもの。2006年に出願しているが、現在までに実際に特許登録した国はない。一時は300兆ウォンの経済価値があるとされた黄博士の特許だが、まったく認定されない可能性が高まった。

 報告書は、特許出願に記されたES細胞の作製方法に関する説明が、41の請求項を十分裏付けるものではないと指摘しており、またこのES細胞が「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」に従い寄託されていないとも指摘した。

 この報告書は、大韓民国特許庁が特許協力条約(PCT)上の国際調査当局として昨年5月17日に作成し、WIPOと今回の特許出願を担当していた国内代理人に送付したとされる。

 特許庁関係者によると、この報告書は予備調査であり、特許登録の可否は出願を受け付けた国が個別に決定するものだという。各国の審査官が参考にすると思われるが、報告書の内容そのものが特許登録の可否を直接決定するものではないと説明した。しかし、ある特許専門家は「特許出願の根拠となった論文がねつ造であり、ES細胞も存在しなかったことが明らかになっている以上、常識として特許登録はありえないのでは」と話している。


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