(画像提供:wowkorea)
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韓国で新型コロナウイルスの感染者がここに来て再び急増しており、再拡大が懸念される状況になってきている。感染力が強いとされるインド型の「デルタ株」も広がっていると見られ、またしても難局を迎えた。

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今月2日には韓国全土で計826人の新規感染者が確認された。800人台となるのは1月7日(869人)以来で、その後も連日700人台で推移している。

5日の月曜日に発表された新規感染者は711人。週明けの場合、週末に検査数が減少する影響で、これまでは300人台に下がることが多かったが、この日は大きな減少は見られなかった。

韓国では感染者がしばらく600人台にとどまっていただけに、急増する状況は重大に受け止められており、韓国メディアは「人の移動が増える夏休みシーズンを前に、感染の急拡大の懸念が強まっている」(聯合ニュース)などと伝えている。

感染者の増加を受けソウル市など首都圏では、1日から施行予定だった従来よりも規制を緩和した感染防止策「新たな社会的距離の確保」の実施を延期することとした。

韓国政府の中央防疫対策本部が、ワクチンインセンティブを盛り込んだ「予防接種完了者日常回復支援案」を発表したのは5月26日のことだった。ワクチン接種を促そうと、1次接種を終えた市民に限り、マスクの着用の義務を今月1日から解除すると発表。しかし、この方針には専門家から懸念の声も上がっていた。

韓国紙・イーデイリーは6月4日、ワクチンインセンティブに関する記事を掲載。歓迎する市民の声と併せて懸念を示す専門家の意見を伝えており、記事中に登場するコリョ(高麗)大学クロ(九老)病院感染内科の教授は「接種をしてもマスクをしなければ感染の危険は依然としてあるため『ノーマスク政策』を推進してはならない」と述べていた。

「新たな社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保」の実施をめぐっては、韓国政府の中央災害安全対策本部と保健福祉部(日本の厚生労働省に相当)傘下の行政機関・疾病管理庁とで意見が分かれることもあった。

先月25日に中央日報が伝えたところによると、同本部は先月24日、韓国内の感染の流行は統制可能なレベルだとの認識を示したのに対し、同庁のチョン・ウンギョン(鄭銀敬)庁長は同日、「世界的にデルタ株が急速に拡大しており、わが国も海外流入の遮断と国内での拡大防止を強化することが必要な状況」とし、「現時点では特に首都圏はもう少し防疫措置を強化することが必要だと判断している」と述べていた。

チョン庁長と言えば、昨年1月に韓国で初めてコロナの感染者が確認されて以来、コロナ対策の最前線で指揮を取ってきた人物。流行初期の段階では連日、記者会見を行うなど激務をこなした。

記者から「1時間も寝ていないとの話がある」と健康状態を心配する質問が出た際には「1時間以上は寝ている」と答えたことが当時、日本でも報道された。2011年の東日本大震災の時、枝野幸男氏に対する日本国民の反応と同じだった。

感染者の急増を受けて、韓国政府は4日、「ノーマスク」のインセンティブについて、首都圏での施行をわずか4日で撤回。「新たな社会的距離の確保」の実施については、ソウル市と近郊のキョンギド(京畿道)、インチョン(仁川)市の首都圏3自治体が先月30日、1週間の延期を決定。政府も容認した。

結果的に今回の韓国政府による防疫対応は専門家の懸念を差し置いて、いささか前のめりだった感が否めない。またしても到来した感染の波を、今後どのように乗り越えて行くのか注目される。

ムン・ジェイン(文在寅)政権が自ら最大の業績としている「K防疫」。その象徴は2015年、政敵パク・クネ(朴槿恵)政権時代のMERS(中東呼吸器症候群)の水際対策失敗で左遷されていたチョン庁長である。昨年4月の総選挙で経済失策から文政権を救ったのもチョン庁長の「K防疫」と言われている。

その結果、チョン庁長は「疾病管理本部長」から「疾病管理庁」の初代庁長と昇進し、米国のTIME誌が選ぶ「2020年の最も影響力のある100人(THE 100 MOST INFLUENTIAL PEOPLE OF 2020)」に選ばれ、時の人物となっていた。これからの彼女の働きにも注目だ。
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