パキスタンは人口約1億6000万人のうちムスリムが97%を占める。米国同時多発テロ事件以降、政権としては米国と手を結びタリバン掃討戦を展開してきたが、パキスタンの民衆は、イスラム原理主義に立脚し外部勢力に立ち向かい戦うタリバンに対しかなりの支持を示してきた。厳格なイスラム律法を追及するタリバンの姿は、西欧文化の浸透を懸念する保守的なムスリムを特に熱狂させた。
しかし、先月タリバンが医療ボランティアに訪れた韓国人23人を拉致し、このうち2人を殺害、残り21人の生命を脅かすという事態が長期化していることから、パキスタンでのタリバン支持世論が急速にしぼみつつある。拉致発生から18日目の今月5日、パキスタンの首都イスラマバードで聯合ニュースが接触したムスリムは、「助けてくれと懇願する韓国人女性をテレビで見た。ショックだった。タリバンが女性らを殺せば、抵抗勢力ではなく犯罪グループというイメージを人々に植え付けることになるだろう」と話すなど、異口同音にタリバンの行為は間違っていると指摘した。
あるパキスタン人は、タリバンに対する評価が急速に悪化していると指摘するとともに、人質を釈放することがイスラム国家創設を目指すタリバンの将来にも良いという見解を示した。また別の男性は、「タリバンは、韓国が米国の同盟国で人質がキリスト信者という理由を挙げて拉致を正当化しようとしているようだ。タリバンの敵は米国だ、なぜ韓国人を拉致するのか。重要なことは罪のない人を殺してはならないといういうことで、それがイスラムの精神」と語った。
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