サムスン電子は10日、業界で初めて0.64マイクロメートル(㎛・100万分の1メートル)ピクセル5000万画素のイメージセンサー「アイソセルJN1」を発売した。同電子が2019年9月、世界で初めて0.7㎛(マイクロメーター・100万分の1メートル)ピクセル1億800万画素のイメージセンサーを公開して以来、約21か月ぶりだ。
イメージセンサーはカメラのレンズを通じて入ってきた光をデジタル信号に変えるシステム半導体(非メモリー)の一種だ。物事の情報を把握し、脳に伝える人間の目のような役割を果たす。アイソセルJN1は、1ピクセルの面積が従来の0.7㎛ピクセルのイメージセンサーより16%小さくなった。モジュールの高さも約10%減らし、別名「カメラ突出現象」を最小化できるという。
同社は暗い環境でもより鮮明なイメージが撮影できるように、アイソセルJN1に△アイソセル2.0(ISO CELL 2.0)△インターシーンHDR(Inter-scene HDR)△ダブルスーパーPD(Double super PD)など最新のイメージセンサー技術も適用した。
アイソセル2.0は、ピクセルが受け入れる光の損失やピクセル間の干渉現象を最小化したもので、従来のアイソセルプラス(ISOCELLPlus)に比べ感度を16%改善した。アイソセルプラスは、同社が2018年に発表したイメージセンサーの新技術だ。富士フイルムの新素材を適用し光の損失を最小化、センサー性能を高めたのが特徴だ。
同社はアイソセルJN1に、トンネルの入り口のように明るくて暗い部分が同時にある環境では高感度のイメージと低感度のイメージデータを活用し、幅広いコントラスト比が提供できるインターシーン HDR機能も搭載した。またダブルスーパーPDの技術も初めて適用した。これは画素数が同じスーパーPDイメージセンサーに比べ、自動焦点に活用するピクセル数を2倍に増やし60%少ない光量でも速やかに焦点を当ててくれる。
同社の今回の新技術は、ソニーの技術を超えているという評価を受けている。ソニーの最新技術は0.8㎛ピクセル6400万画素だ。先進光学技術を打ち出して、デジタルカメラなどの分野で強みを見せてきたソニーは、グローバルイメージセンサー市場を主導してきた。しかし、イメージセンサーが電荷結合素子(CCD)から相補性金属酸化物半導体(CMOS)センサーへと流れが変わり、CMOSに先制投資した韓国企業各社が市場シェアを拡大し始めている。CMOSイメージセンサー価格がCCD比25~50%安く、価格競争力を確保することになった。
ソニーはサムスン電子などの追撃をかわすため、積層技術を最大化した新製品の開発に乗り出す方針だ。イメージセンサーは微細化だけでなく、撮影可能な明るさの範囲とズーム、画像性能などの総合的な性能が重要なだけに、ソニーの長所を最大限活用する計画だ。
ソニーは今年4月、社名をソニーグループに変更後、イメージセンサー関連の先端技術企業の買収合併(M&A)やアニメーション、ゲームなどエンターテインメント事業の拡張に、今後3年間で2兆円を投じると発表した。ソニーは昨年、グローバルイメージセンサーの市場シェア(市場調査会社TSR調査)47.6%で1位を占めた。サムスン電子は21.6%で2位だった。
シェア6位(2.6%)のSKハイニックスも年内発売を目標に0.7㎛ピクセル6400万画素イメージセンサーの開発を進めている。SKハイニックスは2016年、子会社のシリコンファイルのCMOSイメージセンサー事業を買収後、微細化競争に乗り出した。SKハイニックスは2019年に1.0㎛ピクセル、2000万画素のイメージセンサーを発売し、昨年は0.8㎛、4800万画素製品を発表した。イメージセンサー市場は、第4次産業革命とあいまって、地道な成長が予想される。グローバルイメージセンサーの出荷量(市場調査会社ICインサイツ調査)は昨年67億個から今年80億個を経て2025年135億個規模に成長する見通しだ。年平均20%成長するわけだ。
業界関係者は「ソニーがイメージセンサー市場で1位を記録する中、サムスン電子とSKハイニックスなどが猛追している」とし、「シェアの差を広げるためのソニーと、これを縮めるための韓国企業の追撃は今後も続くだろう」と述べた。
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