記者会見でWTO事務局長選からの撤退を表明する兪明希氏=5日、ソウル(聯合ニュース)
記者会見でWTO事務局長選からの撤退を表明する兪明希氏=5日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は5日、世界貿易機関(WTO)事務局長選挙の候補を辞退すると表明した。ナイジェリアの候補と最終の2人に残っているが、近くWTOに辞退を伝えるという。 兪氏は昨年6月、事務局長選への立候補をWTO側に届け出た。これで約7カ月にわたる選挙戦は幕を下ろした。 韓国からのWTO事務局長選への挑戦は今回が3回目。1994年と2012年にもそれぞれ立候補したが、選出されなかった。 今回のWTOの事務局長選では、8カ国が候補を出し、第1ラウンドで5人に絞られ、第2ラウンドで兪氏とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相が最終候補に残った。 WTOは昨年10月28日、より多くの加盟国の支持を集めたオコンジョイウェアラ氏を事務局長に推薦し、事務局長に選出しようとしたが、トランプ政権だった米国が反対を表明したため、原則となっている全会一致での合意に至らず決着がつかなかった。 兪氏は辞退の理由について、全会一致を待ったが数カ月が過ぎても最終結果が出なかったことでWTOのリーダーシップ不在が長期化し、WTOの将来が不透明になったと言及した上で「米国などと緊密に調整・協議し、辞退を決めた」と説明。強く支持してくれた米国も自身の決定を尊重してくれたという。オコンジョイウェアラ氏に反対してきた米国が新政権発足により方針を転換したと受け止められる。 兪氏の辞退により、WTO事務局長にオコンジョイウェアラ氏が就任する見通しだ。兪氏は「わが政府は今後も責任ある通商強国として多国間貿易体制の復活・強化のために多方面で寄与していく」と語るとともに、WTOが重要な課題を一日も早く進展させることを望むと述べた。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日に行われたバイデン米大統領との電話首脳会談で、WTO事務局長選に関して言及しなかった。産業通商資源部の関係者は「韓米首脳間が議論する事項ではない」とし、「これまで米国などと協議をしてきた」と説明した。 
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