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イラン 凍結資産でコロナワクチン購入か=韓国と協議
【ソウル、世宗聯合ニュース】イランが韓国内の銀行にある凍結資産について、新型コロナウイルスのワクチン購入のために使う案を韓国政府と協議しているもようだ。 イラン・韓国商工会議所のタンハイ会頭は3日(イラン時間)、イラン労働通信(ILNA)に対し、ジャハンギリ第1副大統領と資産の使用方法について議論したとして、「新型コロナウイルスのワクチンなどを購入することに使う方法を提案した」と明らかにした。 また、韓国政府は凍結資産の解除を巡る実質的な行動を取っていないとして、「両国が凍結資産の使用方法について議論を始めた」と言及。「ワクチンの購入に最優先で使うことができる」とし、イラン政府が関連手続きを進めていると述べた。 イランはワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」に加わるため、韓国政府に対し凍結資産をワクチン代金として入金するよう要請したもようだ。 韓国の銀行は米国の対イラン制裁に反しない範囲内で資産を移す案をイランに示したが、まだイラン側から回答を受け取っていないという。 韓国政府内では医薬品など人道物資を取引する場合は制裁の例外となるため、新型コロナウイルスのワクチンのため凍結資産を利用することも認められるとの見方が出ている。 韓国のウリィ銀行とIBK企業銀行にはイランの原油輸出代金約70億ドル(約7200億円)が凍結されている。 韓国は米国の承認を得て、2010年からイランの原油輸入代金を2銀行に開設されたイラン中央銀行の口座にウォン建てで入金し、イランに制裁対象外の物資を輸出する韓国企業は代金をこの口座から受け取る方法でイランと取引した。だが、米政府が19年、イランの中央銀行を制裁対象に指定したことで、イランとの貿易は事実上中断している。 イラン政府は韓国に対し、資産凍結の解除を強く求めている。 両国を巡っては、4日に韓国船籍のタンカーがホルムズ海峡近くのペルシャ湾でイラン革命防衛隊に拿捕(だほ)され、韓国政府は解放を求めている。