今年9月、英国で初めて報告された新型コロナウイルスの変異種が欧州を超え、アジア・北米など全世界に広がり、各国の保健当局は非常事態に陥った。
ニューヨークタイムズ(NYT)、ワシントンポスト(WP)などによると、26日(現地時間)現在までに変異した新型コロナの感染者が報告された国は、英国・ドイツ・フランス・イタリア・デンマーク・スペイン・スウェーデンなどの欧州諸国と日本・オーストラリア・シンガポール・レバノン・カナダなど合わせて十数ヵ国にのぼる。
このうち、フランスの保健部は25日、そしてスウェーデンの保健当局とスペイン・マドリード州、カナダ・オンタリオ州の保健当局はそれぞれ26日に変異した新型コロナの感染者が出て隔離措置を取ったと明らかにした。
これらの国で変異した新型コロナに感染した患者が報告されたのは今回が初めてで、フランスで報告された変異ウイルスの感染者は英国ロンドンに居住しており、19日に帰国したフランス人男性であることが確認された。また、スウェーデンの変異ウイルス感染者1人とスペインの4人は、いずれも最近英国に行ってきた事実があることが分かった。
しかし26日、カナダの変異ウイルス感染者夫婦1組は他の国や地域への旅行記録や他の新型コロナ感染者および高危険群との接触有無が確認されておらず、すでにカナダ内で変異ウイルスが広範囲に拡散した状態ではないかという観測さえ出ている状況だ。
これに先立ち、デンマークでは先月14日から今月14日までの1か月間、計33人の変異した新型コロナ感染者が出た。
英国の科学者らは、自国で発見された新型コロナの変異種の伝播力が、従来のウイルスより5~6%ほど強いと見ている。しかし、変異種の高い感染率が致命率とも相関関係があるかどうかはまだ把握されていない。
しかし、英国政府はこうした新型コロナ変異種の拡散に伴い、首都・ロンドンを含む南東部地域に“封鎖”措置を取り、フランス政府はドーバー海峡を通じて英国を行き来する列車・車両の運行を一時中断した。このほか、全世界で約50ヵ国が英国発航空便の入国を制限または禁止している状況だ。
NYTはこれらの国の大部分が「英国ほどのウイルスの遺伝子分析力量を備えていない」と指摘した。
こうした中、日本政府はこれまで英国に対してのみ維持してきた外国人新規入国禁止措置を28日から来年1月末まですべての外国人を対象に拡大施行することに決めた状況だ。
厚生労働省によると、現在まで日本では最近英国を訪問したり、英国人と接触した7人が新型コロナの変異種に感染した事実が確認された。しかし、英国以外の地域でも変異ウイルスの感染者が続々と報告されているため、すべての外国人を相手に“鍵”をかけることにしたのだ。
先月から新型コロナの“第3次流行”が本格化している日本では、今月23日以降、新型コロナの新規感染者歴代最多記録を連日更新している。26日には新規感染者数が3881人に達した。
新型コロナの累積感染者数は1900万人余り、死亡者数は33万人余りで、全世界でその被害が最も深刻な米国の場合、まだ英国発の変異ウイルスに感染したことが確認された患者は報告されていない。
しかし、米国政府も28日から全ての英国発航空便の入国者に対し、搭乗前72時間以内に実施した新型コロナ診断検査で陰性反応が出たという証明書の提出を義務付けることにするなど、防疫対策を強化することにした。
このような中、南アフリカ共和国やナイジェリアなど一部のアフリカ国家では、英国で最初に発見されたものとは異なる種類の新型コロナの変異種が発見された。最近では、英国でも南アフリカ発の変異ウイルスに感染した患者が報告されている。これに対し英国政府は24日、自国民の南アフリカ訪問を禁止する措置を取った。
しかし専門家は「新型コロナの特性上、変異ウイルスであってもこれまでに開発された新型コロナのワクチンで予防できるものと期待している」とワシントンポスト紙は伝えた。
Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 84