プンダン(盆唐)ソウル大学病院は、神経科のパク・ヨンホ教授チームが米国で661人、ヨーロッパで674人を対象に行ったコホート研究(要因対照研究)の結果、免疫細胞による炎症反応およびウイルス感染と関連した特定遺伝子の発現がアルツハイマー病に影響を与えかねないという事実を究明したと、18日明らかにした。
認知症を誘発するアルツハイマー病は、記憶力を含めた認知機能が漸進的に悪化する退行性脳疾患で、認知症原因の約70%を占める。神経細胞が減少し、脳が萎縮する状態で現れる。
パク教授チームはこのようなアルツハイマー病の発病に影響を及ぼす原因遺伝子を把握するため、大規模な‘電場誘電体連関分析(genome-wide association study, GWAS)’の結果を確認した。
電場遺伝体連関分析とは、患者群と正常群の2つの集団に対する遺伝情報を比較しながら、患者群でより多くの頻度で現れる疾患と関連性を持つ遺伝情報を探す方法だ。
研究チームはまず、当該分析方法を通じて、アルツハイマー病と密接な関連性があると知られている22個の遺伝子を突き止めた。次に、関連する遺伝子が血液にどれだけ多く発現するのか、発現量を調べた。
さらに、この発現量の違いがアルツハイマー病診断に役立つか評価し、どのようなメカニズムでアルツハイマー病に関与するのかも分析した。
研究の結果、正常群に比べてアルツハイマー病患者群には、遺伝子の発現量が留意する水準で高く現れた。
電場遺伝体連関分析でアルツハイマー病との関連性が確認された遺伝子が、実際に患者群において多く発現したのである。
特にCD33とPILRAという遺伝子がアルツハイマー病の発病に大きく作用することが確認された。
本来、我々の体内の食細胞は、体内の不要な物質を捕食しながら体を保護するが、正常ならばアルツハイマー病の原因物質に対しても食細胞が活動しながらアルツハイマー病の発症を抑制させることになる。
しかしCD33は、このような食細胞の免疫反応を抑え、結局はアルツハイマー病を引き起こすと予測されている。
また、PILRAは単純疱疹ウイルス(herpe simplex virus, HSV)が細胞内に容易に浸透できるようにし、結果的に我々の身体が感染に対して脆弱になる作用をすると知られている。
研究チームは、今回の研究を通じてアルツハイマー病を引き起こす原因遺伝子を究明し、さらに予防と治療剤開発において新しい転換点を迎えるものと期待している。
パク教授は「アルツハイマー病を含むすべての疾病はそれぞれの患者ごとに発病原因が違うだけでなく、治療方法にも差が生じる」とし「そのため、個人の遺伝情報、臨床情報、生活習慣を分析して、オーダーメード型治療を提供する精密医療の基礎を確立することができるよう、遺伝子発現の違いを分析することになった」と研究背景について説明した。
ただし、今回の研究は西洋人を対象に行われており、韓国の患者に直ちに適用するには限界があると見られる。
研究陣は「遺伝体の分析結果は人種ごとに異なるため、国内患者を対象にした後続研究を設計し、引き続きアルツハイマー病の診断および発病メカニズムを確認していく計画」と述べた。
今回の研究結果は米国神経科学会(American Academy of Neurology)学術誌‘遺伝神経学(Neurology Genetics)’オンライン版に掲載された。
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