与党「共に民主党」の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員は今月12日、国会による文化財庁への国政監査で、1918年に朝鮮銀行が発刊した英文雑誌「朝鮮と満州の経済概要」のコピーを提示し、「この本の6ページに『この建物の定礎石は伊藤公爵の自筆により製作された』との説明がある」と明らかにしていた。
国民の関心が高まったことを受け、文化財庁は20日に字体の専門家3人とともに調査を行った。浜松市立中央図書館のホームページにある伊藤の筆文字と、「朝鮮と満州の経済概要」に掲載された当時の定礎石の写真などを参考に調べた結果、定礎石に刻まれた「定礎」の文字が伊藤の文字の特徴を備えていることを確認したという。
これまでも「定礎」の文字を書いたのは伊藤と推定されていたが、文字の左側の作成者の部分が消されており、確証が得られていなかった。
文化財庁はこうした考証の結果をソウル市と韓国銀行に通知する。同行から案内板の設置や「定礎」の文字の削除など文化財の現状変更許可の申請があれば、文化財委員会での審議などを経て管理策を設ける方針だ。
韓国銀行本館は1907年に着工、1909年の定礎後、1912年に朝鮮銀行本店として完工。日本はこれを通じて経済侵奪を行った。日本による植民地支配からの解放後、1950年に韓国銀行本館となった。この建物は1987年の新館建設に伴い、現在は貨幣博物館として使用されている。
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