韓米合同軍事演習が終了した(イラスト)=(聯合ニュース)
韓米合同軍事演習が終了した(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの感染者が軍内で発生したことを受け、予定より2日遅れの18日に始まった韓米合同軍事演習が28日に終了した。

 今回の演習は、韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管に向け、運用能力の検証が行われることで注目されていた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、米本土の基地やインド・太平洋司令部、在日米軍などの兵力が韓国入りできず、検証作業を予定通り実施することができなかった。

 有事作戦統制権移管に向けた「未来連合軍司令部」の完全運用能力(FOC)の検証が今回の演習の主な目的だったが、規模の縮小により、当初の計画の半分程度しかできなかったとの指摘も出ている。演習期間中、検証は計2日間実施されたという。

 軍当局は来年の上半期に行われる合同演習で改めて検証する方針だ。だが、新型コロナが沈静化しなければ、検証を計画通りに実施するのは困難だ。

 有事作戦統制権の韓国軍への移管は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の公約の一つだが、文政権では事実上、不可能になったとの見方も出ている。韓国政府は移管の時期を文大統領の任期最終年の2022年から「早期推進」に変更したが、できれば22年以内に移管したい考えだ。

 演習は北朝鮮の挑発を想定し、韓国軍と米軍の対応手続きを点検する防衛的な性格の定例訓練だった。

 コンピューターシミュレーション方式で行われたが、新型コロナウイルスの影響で参加者が縮小され、夜間訓練はなくなった。

 今回、軍当局は新型コロナを遮断するためタスクフォース(TF)を編成し、徹底した防疫を実施した。韓国陸軍内から感染者が出たものの、演習には加わっていなかった。軍関係者は「演習に参加した韓米の将兵の中から感染者は出なかった」と伝えた。

 一方、演習開始の前日となる17日には、米国がB1B戦略爆撃機4機とB2ステルス爆撃機2機の計6機を韓国南部の大韓海峡と日本付近の上空に展開させることで、北朝鮮と中国に警告のメッセージを送った。

 北朝鮮軍は豪雨被害からの復旧作業などにより、夏季訓練規模を縮小し、今回の韓米合同演習の期間に韓米軍当局を緊張させる特別な軍事的行動を取らなかった。ただ、宣伝メディアを通じ、戦争危機を招きかねないとして、演習の中止を求めた。


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