新天地イエス教会での集団感染では大邱市や近隣の慶尚北道の信者が感染者の大半を占め、梨泰院のクラブや物流センターでの集団感染も、防疫当局が感染者をある程度特定することができていた。だが、このところ首都圏ではさまざまな集団で同時多発的に感染者が続出しており、疫学調査は難航しそうだ。
政府の中央防疫対策本部によると、現在、首都圏を中心に広がっている新型コロナに関する疫学調査は感染者の特定が難しいという難点を抱えている。
首都圏では無症状、軽症の感染者を中心に、さまざまな場所で「静かな感染拡大」が進んできたため、いつでも、どこでも感染する可能性があると当局は説明する。新天地イエス教会や梨泰院、物流センターのケースでは当局が感染者を限定して追跡調査を行っていたが、今の状況ではこうした手法を使いにくいということだ。
対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は17日の定例会見で、現在の首都圏の感染流行について「この6か月間、累積されてきた無症状、軽症の感染者が同時多発的に発生しており、また感染経路の分からないケースが増加しているという面で、よりリスクが高まっている」と説明した。
感染者を特定できなければ、隔離も不可能だ。疫学調査が進む間も感染は広がることになる。新天地イエス教会での集団感染では、信者らが自主隔離の状態で検査を受けていた。
発見された集団感染が飲食店や市場など不特定多数の利用する別の場所を介して広がっていることも、疫学調査を難しくする要因の一つになっている。
当局は防犯カメラやクレジットカード利用履歴による追跡などで感染者の接触者を追っているが、購入記録を探すのが難しい不特定多数の利用施設では、こうした方法で全ての接触者を見つけ出すのは実質的に不可能だ。
鄭氏は、疫学調査官が感染者の調査をする際には発症2日前から発症後5日間くらいの出かけた先を確認する必要があるため、感染者が急増すれば調査が追い付かなくなる恐れがあるとの認識を示した。
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