中国の外交政策を総括する楊潔チ中国共産党外交担当政治局員が、来週訪韓する可能性が高いと報じられ、習近平中国国家主席の年内訪韓の日程が決まるのかが注目される。
習主席の訪韓が実現すれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)騒動以後、ムン・ジェイン(文在寅)大統領による初の対面首脳会談になる可能性が高いと思われる。
14日、韓国と中国の両政府は楊潔チ政治局員のソウル訪問日程を協議していると伝えられた。楊潔チ政治局員の訪韓が実現すれば2018年7月プライベートでの訪韓以来2年ぶりだ。
楊潔チ政治局員は訪韓中に、ソ・フン青瓦台国家安保室長など韓国側の外交安保筋の主要人物と会い、朝鮮半島情勢などについて議論することが予想される。
特に年内を目標に進めている習主席の訪韓と関連した意見交換もあると思われ、習主席の訪韓日程が決まるか関心が寄せられている。現時点では早ければ9月、遅くとも11月あたりではないかと推測されている。
当初、文大統領はドナルド・トランプ米大統領の招請で8月末から9月初めに開かれる予定だったG7(主要7カ国)首脳会議への出席で対面首脳外交を再開すると思われていたが、議長国であるアメリカのトランプ大統領が最近G7会議を11月のアメリカ大統領選挙以降に開催するという意図を明らかにし、年内開催が不透明になっている。
このため、習主席の訪韓がG7会議前になった場合、新型コロナウイルス事態以後、文大統領の初の対面サミットになりうる。文大統領は新型コロナウイルスがパンデミックを起こす直前の昨年12月に中国を訪問し習主席と首脳会談を行った経緯があり、発生後に習主席と2度電話をしている。
習主席が年内に訪韓すれば、THAADミサイル(高高度ミサイル防衛ミサイル)配置により、ねじれた中韓関係を完全に回復するきっかけになるものと思われる。中国政府の限韓令も自然に解除されると推測される。
習主席の訪韓は、行き詰まり感のある南北関係の助けとなることが期待される。北朝鮮に少なからず影響力を行使している習主席が文在寅政府の対北朝鮮政策に支持を表明した場合、北朝鮮のケソン(開城)共同連絡事務所爆破により悪化した南北関係の緊張感を緩和させる要因となる可能性もある。
ただし、6月の香港人権・民主主義法の通過を機に米中の対立が再激化した中で、習主席が最初の訪問地として韓国を選択したということは、韓国政府としては悩ましいことでもある。
アメリカは最近、韓国など同盟国に経済繁栄ネットワーク(EPN)への参加と先進7カ国(G7)の拡大会議への出席を求めており、EPNは、アメリカの反中経済ブロックに韓国と日本、オーストラリア、インド、ニュージーランド、ベトナムなどに参加を求めている。
これに関連して外交筋の一部では、楊潔チ政治局員が訪韓時に政府の立場がアメリカに偏らないように牽制するメッセージを出す可能性も挙げられている。
この点から習主席の訪韓日程が具体的になった場合、アメリカの韓国政府への圧力が強まる可能性も排除できない。
政界では文大統領が就任後、トランプ大統領はもちろん、習主席とも厚い信頼関係を築いてきただけに、米中対立の中で“妙手”を見つけるのではという話も出ている。既にTHAADから始まった米中対立の狭間でねじれた中韓関係を相当部分回復させた実績があるからである。
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