MERS(マーズ)104番目の感染者の遺族、国を相手に損害賠償訴訟で敗訴=韓国(画像:news1)
MERS(マーズ)104番目の感染者の遺族、国を相手に損害賠償訴訟で敗訴=韓国(画像:news1)
中東呼吸器症候群(MERS/マーズ)に感染し死亡した韓国「104番目の患者」の遺族が、国の初期対応に至らない点があったとして責任を問い、政府と病院を相手に提起した損害賠償訴訟で、敗訴が確定した。

 最高裁は、MERSの韓国104番目の患者となったAさんの遺族が、三星(サムソン)ソウル病院を運営する三星生命公益財団と国を相手に提起した損害賠償請求訴訟で原告敗訴の判決を下した原審を審理不続行棄却で確定したと3日、明らかにした。

 Aさんは2015年5月27日、妻と共に腹痛を訴えて長女を連れてMERS”14番目の患者”が入院していた三星ソウル病院の救急センターを訪問し、MERSに感染した。Aさんは同年6月9日、MERS陽性と診断され、18日後に死亡した。

 遺族は「病院と国が、MERSの事前感染予防とMERS露出危険性を告知するなど、事後の被害拡大を防止する義務があったにも関わらず、これを怠ったことで(Aさんの)死亡に繋がった」として、1億7289万ウォン(約1500万円)を請求する訴訟を提起した。

 1審では、保健当局がMERSの危険を告知して症状を確認するなど「アクティブ監視」義務を履行せず、Aさんが2015年5月31日から6月7日までにMERSの診断および治療機会を喪失することになったと判断。Aさんの妻に国が3794万ウォン(約320万円)を支払い、三星生命公益財団はこのうち666万ウォン(約60万円)を国と共同で支払うように命じ、原告一部勝訴の判決を下した。

 Aさんの子ども3人には、国がそれぞれに2162万ウォン(約190万円)を支払い、三星生命公益財団は国と共同でその内444万ウォン(約39万円)を支払うように命じた。

 一方、2審では対処不足だった点を認めながらも、賠償責任は認められないとして原告敗訴の判決を下していた。

 Aさんの遺族は上告したが、最高裁は事件を審理不続行棄却の判決を確定。審理不続行棄却は、原審判決に法違反などの事由がないと判断される場合、最高裁が本案の審理なく、上告を棄却する決定だ。
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