脱北者団体のビラ散布に備えて待機する警察=9日、坡州(聯合ニュース)
脱北者団体のビラ散布に備えて待機する警察=9日、坡州(聯合ニュース)
【坡州、仁川聯合ニュース】北朝鮮が韓国の北朝鮮脱出住民(脱北者)団体による北朝鮮批判ビラ散布に反発を強める中、脱北者団体が今月中のビラ散布を予告し、北朝鮮との境界に近い地域では緊張が高まっている。

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 警察関係者は10日、脱北者団体が25日にビラ100万枚を北朝鮮に向けて散布することを予告したと明らかにした。

 警察はこれに備え、北朝鮮との境界に近い京畿道の坡州市と漣川郡、仁川市江華郡の3地域を中心に警官を配置し、24時間体制で警戒にあたっている。

 9日時点で配置された警察機動隊員は坡州市と漣川郡の36か所に約400人、江華郡に約60人となっている。

 京畿北部警察庁の関係者は「2014年の対北ビラ問題で北側が機関銃を発射した」とし、「住民たちが不安に思っているため、現場で危険な状況になれば、現場指揮官の判断でビラ散布団体を説得して制止する予定」と説明した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は4日に発表した談話で、脱北者団体のビラ散布に不快感を示し、南北の敵対行為中止をうたった軍事合意の破棄などを警告。9日には北朝鮮メディアが、開城にある南北共同連絡事務所の通信連絡線、軍の通信線、朝鮮労働党中央委員会本部庁舎と韓国青瓦台(大統領府)とのホットラインなど韓国との全通信手段を遮断すると報じるなど、韓国に連日、圧力をかけている。

 韓国では北朝鮮へのビラの散布を法的に禁止しようとする動きがあるほか、各地域の住民もビラの散布によって北朝鮮を刺激することに否定的な立場をみせている。


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