李在鎔氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
李在鎔氏(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は、グループ傘下2社の合併と経営権継承を巡る不正容疑に絡み検察が逮捕状を請求したサムスングループの経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長と同グループ元幹部2人に対する逮捕状発付を認めるかどうかの審査を8日午前、開始した。審査の結果は同日夜遅く、または9日未明に出る見通しだ。

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 検察が逮捕状を請求したのは李氏のほか、元サムスン電子副会長兼未来戦略室長の崔志成(チェ・ジソン)氏、 元サムスングループ社長兼未来戦略室チーム長の金鍾重(キム・ジョンジュン)氏の3人。

 検察は、2015年のサムスン物産と第一毛織の合併と、その後のサムスンバイオロジクスの会計基準変更はいずれも李氏の安定的な経営権継承を目的に行われたもので、この際に粉飾会計や株価操作などの違法行為が用いられたと判断した。

 合併の決議後に株式買い取り請求権(合併に反対する株主が保有する株式の買い取りを会社に請求する権利)の行使をできるだけ抑えるため請求期間の15年7~8月に好材料の情報を集中的に公開し、大量の自社株を購入する方法で株価を押し上げたとみて、李氏らに資本市場法上の不正取引および相場操縦の容疑を適用した。

 検察は、今回の捜査の発端となった第一毛織子会社のサムスンバイオロジクスの不正会計疑惑についても意図的な粉飾会計だったとみて、株式会社外部監査法違反の容疑も令状に記載した。サムスンバイオロジクスの財務状況がサムスン物産と第一毛織の合併に支障を来さないよう、両社合併後にサムスンバイオロジクスの会計基準が不当に変更されたとみている。

 李氏は朴槿恵(パク・クネ)前大統領らに賄賂を贈ったとして17年2月に逮捕され、実刑判決を受けて収監生活を送ったが、18年の二審で執行猶予付き判決となり釈放された。現在も公判は続いている。今回、裁判所が逮捕状を発付すれば2度目の逮捕となる。

 李氏らは今月2日、起訴の是非などについて検察外部の判断を仰ぎたいとして、外部者で構成される検察捜査審議委員会の招集を要請していた。検察はその2日後の4日に李氏らの逮捕状を請求するという強硬手段に出た。


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