趙駐米大使(資料写真)=(聯合ニュース)
趙駐米大使(資料写真)=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】韓国の趙潤済(チョ・ユンジェ)駐米大使は25日(米東部時間)、米ワシントンで韓国の記者団と懇談し、北朝鮮の対米交渉に関し「北側は朝ロ(ロ朝)首脳会談を通じ、また実現するかは分からないが朝中(中朝)首脳会談を推進することで、対米交渉の足場を広げる努力をしていると思われる」と見解を示した。北朝鮮が近ごろ、対米交渉ラインの変更、あるいは整備を模索する様子だとも述べた。

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 趙氏の発言から、北朝鮮はベトナム・ハノイでの米朝首脳会談後の対米交渉で主導権を握ろうと、ロ朝首脳会談に続き中朝首脳会談の開催に動いていると考えられる。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が訪中した場合、5回目となる。

 趙氏は米国について、「北に対する制裁と圧力が緩むことがないよう、中国、ロシア、欧州、日本などとも緊密な協議を続けるだろう」と説明した。

 また、米国は北朝鮮との対話に開かれた姿勢であり、準備ができているというメッセージを多様なルートで北朝鮮に伝えているという。これに対する北朝鮮の立場表明はまだないようだが、北朝鮮の国内行事日程や金委員長のロシア訪問など外交日程が一段落すれば、北朝鮮から反応があるのではないかと米国は期待している様子だと述べた。

 趙氏はただ、「当分は今のような膠着(こうちゃく)状況が続く可能性もある」との見通しを示した。米国は急がず北朝鮮の反応を冷静に待つという姿勢のようで、北朝鮮も金委員長が施政演説で米国の勇断を年末まで待つと述べたためだ。

 趙氏はそれでも、米朝が物別れに終わったハノイでの首脳会談後も「引き続き対話の意思を堅持している」と強調。北朝鮮は米朝首脳会談に対する不満を表出させながらも首脳間の友好を重ねて取り上げており、米国も対話再開に向けた前向きで節制したメッセージを北朝鮮に送っていると説明しながら、「時間の問題であり、対話と交渉は再開されるとみている」と述べた。

 一方、11日に開かれた韓米首脳会談に関しては「北関連問題が主な議題になったが、貿易、投資など双方の懸案に対しても意見交換があった」とし、会談が首尾よく行われたとの見解を示した。

 この席で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はトランプ米大統領から金委員長宛てのメッセージを受け取った可能性が高い。ただ、それは金委員長を交渉テーブルに着かせるためのある種の具体的な提案というよりは、米朝交渉に対する米国の立場などを伝える包括的なメッセージとされる。


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