北朝鮮の朝鮮中央テレビが2018年2月8日に放送した朝鮮人民軍創建日(建軍節)の軍事パレードには、新型地対地短距離弾道ミサイルと推定されるミサイルが登場した=(聯合ニュース)
北朝鮮の朝鮮中央テレビが2018年2月8日に放送した朝鮮人民軍創建日(建軍節)の軍事パレードには、新型地対地短距離弾道ミサイルと推定されるミサイルが登場した=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の国防科学院が17日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の立ち会いの下で射撃実験を行った「新型戦術誘導兵器」の種類を巡り、さまざまな分析が出ている。

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 北朝鮮メディアは18日、金委員長が同実験を視察したことを報じた。韓国軍当局はこれについて「精密に分析中」と具体的な言及を控えているが、軍関係者らの話をまとめると、北朝鮮が射撃実験を実施した戦術誘導兵器は飛行高度が低く、射程が短いという。その代わり、飛行速度は速いとされる。

 射程が短く、北朝鮮が戦術誘導兵器と発表したことから、射程約20キロメートルのスパイク級誘導ミサイル、または新型の地対地精密誘導兵器である可能性が高いとみられている。ただ、地対地などの多目的巡航ミサイルを射程を縮めて発射したとの見方も一部にある。

 軍関係者は、北朝鮮がミサイルを発射すれば通常は米軍の探知網に捉えられるが、今回は捉えられなかったようだとし、高度が低く、飛距離が短い戦術誘導兵器だったことがその理由だと説明した。

 別の軍関係者は、飛行しながらターゲットを変更するシーカー(追跡装置)を搭載した地対地誘導兵器のようだとの見方を示した。

 ロシアが2006年に実戦配備した地対地ミサイルと似ているとの分析もある。このミサイルは急降下した後に水平飛行し、ターゲット上空で垂直に落下するという複雑な飛び方をする。北朝鮮が「特殊な飛行誘導方式」と言及したことも、こうした見方を後押しする。

 シンクタンク・韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ分析官は、飛行中にターゲットを変更し、複雑な飛び方をするスパイク級誘導ミサイルではないかと推測する。韓国軍は2010年、北朝鮮に近い黄海の島にスパイクを配備した。このミサイルは重量70キログラム、射程はおよそ20キロメートルで、坑道内の海岸砲やロケット砲を破壊するのに使われる。

 専門家の中には短距離巡航ミサイルの可能性を指摘する声もあるが、その場合は探知網に必ず引っ掛かるはずだと軍関係者らは主張している。

 北朝鮮メディアは射撃実験を行った戦術誘導兵器の写真を公開しておらず、軍当局も分析に苦労しているようだ。韓国軍合同参謀本部の関係者は「現段階では分析中としか言えない」と話している。


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