新年会見を行う文大統領=10日、ソウル(聯合ニュース)
新年会見を行う文大統領=10日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、青瓦台(大統領府)で新年の記者会見を開いた。経済政策と関連し、「今年は国民の暮らしの中で政府の経済政策の方向が正しいということを確実に実感してもらうことが目標」だとし、「そのためには成果を出す必要がある」と述べた。具体的には「革新によって既存の産業を復興させ、新たな成長エンジンになる新産業を育成する」とした。

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 文大統領は、昨年は国民の力で多くの変化を成し遂げ、新年を迎えたが、国の経済が驚くべき成長を果たしたにもかかわらず、依然として暮らし向きが厳しい国民が多いと指摘。これは「われわれがともに成し遂げた経済成長の恩恵が少数の上位階層と大企業に集中し、全ての国民に等しく行き渡らなかったため」だと説いた。

 また、勝者総取りの経済などと呼ばれる経済的不平等は韓国だけでなく全世界が直面した共通の課題であり、世界はこの問題を解決せずには成長を持続させられないことを認識するに至ったとし、「そのためOECD(経済協力開発機構)やIMF(国際通貨基金)などの国際機関や主要国は包容的成長をその解決策として提示している」と述べた。

 続けて「韓国政府が推し進める人間中心の経済と革新的包容国家がまさにそれであり、公正に競い合う公正経済を土台に革新成長と所得主導成長を通じて成長を持続させながら、共に豊かに暮らす経済を築くものだ」とし、「未来への希望を生み出しながら、どぶから竜が出る(平凡な家庭で生まれた人が成功する)社会をつくりたい」と強調した。

 さらに、「韓国文化が未来産業につながるようにしたい」と述べ、「防弾少年団(BTS)をはじめとするK―POP、ドラマなど韓流文化に世界の人々が熱狂している。第2の防弾少年団、第3の韓流が可能になるよう、公正に競い合い、クリエーターが(きちんとした)待遇を受けられる環境を整える」と意欲を示した。

 朝鮮半島を巡る情勢にも言及した。文大統領は昨年行われた朝米(米朝)首脳会談や北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との3回の南北首脳会談を念頭に、「われわれが努力すれば平和を引き寄せられるということを経験し、確認した」と述べ、朝鮮半島の平和への歩みを今年は一層加速させるとした。

 また「遠からず開催される2回目の朝米首脳会談と金正恩委員長のソウル訪問は、朝鮮半島の平和をしっかりと押し固めることのできる転換点になる」としながら、「朝鮮半島の非核化に対する約束が守られ、平和が完全に制度化されるまで緊張を緩めない」と強調した。

 豊かに暮らしたいという気持ちは韓国も北朝鮮も同じだとし、「南北の鉄道・道路連結は韓国経済の新たな活路になるだろう」とも語った。

 文大統領は、中断している南北経済協力事業、開城工業団地と金剛山観光は南北双方に利益があったとし、金委員長が元日の「新年の辞」で両事業を無条件で再開する用意があると表明したことを「歓迎する」と述べた。これにより、両事業の再開に向けた北朝鮮との間の課題は解決したことになるとし、「残る課題である国際制裁問題の速やかな解決を目指し、米国をはじめとする国際社会と協力していく」と表明した。


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