日本政府は2002年9月に当時の小泉純一郎首相が北朝鮮・平壌を訪問するに当たり、日朝関係が正常化し経済協力を行うことになれば100億ドル(約10兆円)規模の無償支援を行うとの意向を事前に北朝鮮側に伝えていたとする主張が出された。
 統一部のペ・チュンナム事務官が、昨年日本の筑波大学に提出した「経済協力と人道支援:南北関係進展と日本外交」と題した博士論文の中で述べたもの。日本は北朝鮮経済専門家と外務省、経済産業省など関係官庁からなる研究会で北朝鮮経済協力案について検討し、北朝鮮側に伝えたという。ペ事務官は2005年2月から2年間日本に滞在し、外務省など当時の対北朝鮮業務に携わっていた関係者らへの取材を通じ、こうした事実を確認したとしている。

 この対北朝鮮経済協力資金は現金ではなく、役務と財務を10年間で分割し100億ドルを提供するというものだったという。これとは別途に有償で輸入決済資金、プロジェクト借款、公共事業推進借款などの円借款も提供し、最貧困国向けの0.75%という低金利を適用し、10年据え置き30年償還の条件を付けるとしていたとの主張だ。過去の保障問題についても日朝がともに財産請求権を放棄した上で、こうした日本の資金提供に合意し、実務的な手続きを残し妥決した状態だったと強調した。金総書記が日本人拉致の事実を認めたのもこのためだとしている。

 ペ事務官は論文を通じ、日朝平壌宣言の第2項に「民間経済活動を支援する」と明示されているのは、北朝鮮と経済協力に大きな関心を示している日本の財界・企業に条件付きの形での関与の道を残しておいたことを意味すると説明した。日本の政府開発援助(ODA)は、対象国からの「条件付きの経済協力では国家経済が日本に隷属する」という批判を考慮し条件をつけない形に転換していたが、これを対北朝鮮経済協力方法で復活させたものだと批判した。

 論文は、こうした形で日朝関係が正常化され日本が経済協力を実施すれば、政府の公的資金として日本財界と企業が対北朝鮮事業に参入し、韓国政府と民間が行う経済協力と衝突することは避けられないとしている。


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