浦項工科大学は20日、化学科のチェ・ヒチョル教授チームが、酸化作用を利用し半導体基盤のシリコンを10ナノメートル以下までエッチングすることに成功したと明らかにした。
 研究チームは、カーボンナノチューブを化学蒸気堆積(CVD)法を用い生成する際、少量の酸素を注入すればカーボンナノチューブと半導体基盤に使用されているシリコン酸化物の表面が熱化学反応を起こし、シリコン酸化物が削られる事実を発見した。この現象を応用し、4ナノメートルクラスのナノ金属線の生成と、シリコンを10ナノメートル以下にエッチングすることに成功した。

 エッチングは、酸が金属を腐食させる作用を利用した加工技術で、半導体工学では、ウエハーなどの薄膜を削る技術に応用される。最先端の極小型半導体の製作では、基盤表面に回路パターンを形成するため最大限微細な大きさまでエッチングする必要があるが、これまでの光転写や電子ビームを利用した方法では10ナノメートル以下の実現が不可能だった。

 今回研究チームが発見した化学反応を利用すれば、エッチングされる酸化物の幅、方向、長さなど構造的特性がカーボンナノチューブにより直接制御されるため、技術によっては半導体製造工程技術はもちろん極小型半導体製作に必要なナノ工程技術開発に大いに役立つものと期待される。

 この研究結果は、英科学誌ネイチャーが発行する「ネイチャーナノテクノロジー」電子版に2月18日付けで掲載された。


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