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元大統領秘書室長宅など捜索 サムスン合併疑惑の解明も=特別検事
【ソウル、世宗聯合ニュース】朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領が絡むさまざまな疑惑と朴大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を調べている特別検察官の捜査チームは26日、金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長の自宅、趙允旋(チョ・ユンソン)文化体育観光部長官の執務室と自宅など約10カ所に対する家宅捜索を実施した。朴政権の最高意思決定に深く関与した疑いのある金氏をターゲットにした捜査が本格化する見通しだ。また、前保健福祉部長官の文亨杓(ムン・ヒョンピョ)国民年金公団理事長と、青瓦台(大統領府)の金珍洙(キム・ジンス)保健福祉秘書官の自宅も家宅捜索し、サムスングループが傘下のサムスン物産と第一毛織の合併を推進した際に、サムスン物産大株主の国民年金公団が合併を支持した背景に関する捜査も加速させている。 捜査チームはこの日、ソウル市鍾路区の金元秘書室長の自宅に捜査官を送り、秘書室長時代の業務記録や書類などを押収した。また、政府世宗庁舎の文化体育観光部の事務所や関係者の自宅なども捜索した。同部長官の趙氏の執務室と自宅も含まれる。 文化体育観光部人事の専横など、金氏をめぐる疑惑に関連した資料を押収することが目的だ。 金氏は検察による捜査の段階で、職権乱用権利行使妨害の容疑で立件されている。同氏は2014年10月ごろに当時の文化体育観光部第1次官にリストを渡し、室長と局長の6人から辞表を受け取るよう指示したとされる。実際に6人が一斉に辞表を提出した。 これは崔被告が実質的に支配した二つの財団の設立に向けた地ならしとの解釈につながる。財団を設立する前に、業務を所管する文化体育観光部を思い通りにするための措置といえるからだ。 捜査チームはまた、前文化体育観光部第2次官の金鍾(キム・ジョン)被告が金淇春氏に対し、文化体育観光部の元高官が2018年平昌冬季五輪の組織委員会副委員長に任命されるよう口利きを依頼した疑いについても調べている。これは元同部長官の劉震龍(ユ・ジンリョン)氏を参考人として事情聴取した際に得た証言とされる。 金淇春氏は朴大統領とは父・朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領のころから2代にわたる付き合いだ。2013年8月から昨年2月までは大統領秘書室長として、大統領を補佐しながらその一挙手一投足を見てきた。そのため、元青瓦台(大統領府)民政首席秘書官の禹柄宇(ウ・ビョンウ)氏と共に、崔被告の国政介入を黙認、またはほう助したという疑いも持たれている。 金氏は崔被告を知らないと主張し続けていたが、国会の国政調査特別委員会の聴聞会で過去の資料が多数公開されると、崔被告を知っていると発言を変えた。 捜査チームは金氏に対する本格捜査を通じ、職権乱用容疑のほかに職務放棄の疑惑も追及するとみられる。 近く金氏と文化体育観光部関係者を呼び出して調べる方針だ。 一方、捜査チームは昨年7月に国民年金がサムスン物産と第一毛織の合併を支持したことと関連し、当時、保健福祉部長官だった文氏と青瓦台保健福祉秘書官の金氏の自宅も家宅捜索した。 国民年金公団がサムスン側に有利になるよう合併を支持したことをめぐり、「外部からの圧力があった」との疑惑が取り沙汰されている。文氏が「青瓦台の意思」とし、合併支持を求めたとの疑惑も出ている。