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たばこの箱に健康被害警告する表示 23日から=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国で23日から、たばこのパッケージに喫煙の健康被害を強調する写真やイメージの表示が義務付けられる。韓国は19歳以上の男性の喫煙率が2015年に39.3%と、経済協力開発機構(OECD)の34加盟国ではギリシャとトルコに次いで高い。新たな警告表示が喫煙率をどこまで引き下げることができるか注目される。 保健福祉部によると、たばこのパッケージへの写真やイメージ表示は23日以降出荷される製品から対象になる。消費者が実際に目にするのは来年1月末ごろになる見通しだ。◇喫煙による被害、写真が厳しい現実突きつける たばこのパッケージでの警告表示は、世界保健機関(WHO)が勧告する禁煙政策の中では、値上げを除くと最も効果的な政策とされる。現在101カ国が施行している。 韓国では2002年から導入に向け議論が始まったが、警告表示の写真・イメージが必要以上に嫌悪感を与えるという指摘や、表示位置をめぐるたばこメーカーとのせめぎ合いなどもあり、今年6月にようやく導入確定にこぎつけた。 喫煙の被害を警告する表示は、肺がん、喉頭がん、口腔がん、心臓疾患、脳卒中のそれぞれの疾病部位(病変)を示す写真が計5種類。間接喫煙、早期死亡、皮膚の老化、妊娠中の喫煙、性機能障害をイメージさせる表示も5種類ある。写真とイメージは24カ月ごとに変更される。 これらをパッケージの前面と裏面上段に表示し、その下には警告メッセージと禁煙相談窓口の電話番号を記載する。前面と裏面の半分以上が喫煙を警告する表示で埋められることになる。 警告表示は一般の紙巻きたばこだけでなく、電子たばこや噛みたばこ、水たばこなども対象だ。◇警告写真・イメージ表示の効果は? 写真・イメージによる警告表示を導入した国では、喫煙率が大きく低下している。韓国健康増進開発院の報告書によると、調査対象の18カ国で導入後の喫煙率が平均4.2ポイント低くなった。中でもブラジルは2002年の導入以前に15歳以上の喫煙率が35.4%だったが、08年には21.6%に下がった。 成人の喫煙を減らすのに役立つだけでなく、青少年の喫煙を予防する効果もある。韓国保健福祉部は7.8%と高い水準にある韓国の青少年の喫煙率低下につながると見込む。カナダの場合、青少年の喫煙率が2001年の22.5%から06年には16.0%に下がった。 韓国は喫煙率の低下に向けたばこを値上げしてきたが、警告写真・イメージの表示は新たな「ショック療法」になると保健福祉部は期待する。 喫煙に対する好奇心を抑え、たばこメーカーの宣伝スペースが縮小されるため、専門家は短期より長期的な影響力が大きいとみている。 韓国保健医療研究院の関係者は「新たな喫煙者が出ないようにし、たばこに対する社会的、文化的な認識を変えるという面でも大きな意義がある」と評価した。