新作映画『夏物語』の試写会に参加したイ・ビョンホン=22日、ソウル(聯合)
新作映画『夏物語』の試写会に参加したイ・ビョンホン=22日、ソウル(聯合)
イ・ビョンホンの新作映画『夏物語(原題:その年の夏』が30日の公開に先立ち、22日に試写会を行った。時代の荒波に巻き込まれ、命をかけた愛を手放さなければならなかった主人公、ユン・ソギョンを熱演したイ・ビョンホンに、試写会後、話を聞いた。

イ・ビョンホン の最新ニュースまとめ

イ・ビョンホンは、作品に寄せられた賞賛の嵐に、ややとまどった様子を見せ「本当によかったか」と問いかけた。シナリオを見たとき、一般的な恋愛ものやヒューマンドラマとはまた違う、2度と取り戻すことも探すこともできない、ぼんやりとしたもの、切なさといったものを感じたという。映画『きみに読む物語』『ニュー・シネマ パラダイス』でも感じたような情緒を、新しく表現してみたかったと語った。

物語は1969年を舞台としている。三選改憲の反対デモが発生しだした頃の夏、農村のボランティア活動に参加した大学生ソギョンが、少女ソ・ジョンインと出会い恋に落ちる。しかし、朝鮮戦争時代に父親が北朝鮮に渡ったため“共産主義者の娘”と見なされているジョンインと、勢力家の息子ソギョンの恋は時代が認めなかった。

イ・ビョンホンは「ソギョンのキャラクターと自分にはよく似ている部分がある。大学時代は集団行動があまり好きではなく、クラブやサークルに拒否感のようなものがあった。ソギョンが仲間と交わらなかったように」と話す。やや個人主義的な面とともに、純粋で世間の暗い部分を知らず、恐れを知らないところも共通している。比較的裕福な環境で育ち、苦労を知らないせいか、大人になっても純粋なところがあると自己評価するが、俳優としてはそれが若干のコンプレックスだという。俳優が多彩な演技を見せるには、その下敷きとなる経験が必要だからだ。

ソギョンが生まれて初めて“恐れ”に対面するのが、取調べ室のシーンだ。ジョンインとのことでスパイ容疑をかけられたソギョンは、刑事に殴られ自白を強要される。「200発は殴られたと思うが、あれほど殴られたのは生まれて初めて。撮影に入るのが、まるで死にに行くような気分だった(笑)」と振り返った。

映画にかける愛情はさまざまなシーンに散りばめられ、俳優としての確実な進化を証明した。しばらく観客の胸を打つほどの演技に飢えていたスクリーンにとって恵みの雨となるか、期待がかかる。


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