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<インタビュー>南北軍事境界線で休戦協定履行を監視する欧州少将
【ソウル聯合ニュース】「私が働いている場所は北朝鮮と25メートルしか離れていません。でも、南北の緊張が高まったときでも怖いと感じたことはありません」――。南北軍事境界線がある板門店で朝鮮戦争休戦協定の履行および順守を確認・監督する中立国監督委員会スイス代表のウルス・ゲルバー陸軍少将は、休戦協定締結から62年になるのに合わせ聯合ニュースのインタビューに応じた。 ソウル・竜山の国連司令部で行われたインタビューには、スウェーデン代表のマッツ・イングマン空軍少将も同席した。 スイスとスウェーデンは1953年7月27日の休戦協定締結から62年にわたり同委員会の代表として任務を果たしてきた。 ゲルバー少将は、「少なくとも韓国は休戦協定条項を順守しようと誠実に努力し、過去5年で休戦協定履行の水準も高まっていると言える」と評価した。 また、定例の韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」や「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)は防衛目的の訓練で、休戦協定違反には当たらないと強調した。 だが、ゲルバー少将は「北の場合、休戦協定はあってないようなもの」と指摘した。 休戦協定締結直後から頻繁に協定違反を繰り返してきた北朝鮮は、1990年代に入ってからは露骨に協定をないがしろにした。 91年に協定履行のため国連軍司令部軍事休戦委員会首席代表に韓国軍の黄源卓(ファン・ウォンタク)少将(当時)が任命されると、軍事休戦委員会を認めず開城に「朝鮮人民軍板門店代表部」を設置した。 93年と95年には中立国監督委員会から旧チェコスロバキアとポーランドをそれぞれ追放し、北朝鮮側の中立国監督委員会事務所を閉鎖すると発表した。 休戦協定締結直後に国連軍司令部が指名したスイスとスウェーデン、北朝鮮と中国が指名した旧チェコスロバキアとポーランドの4カ国で構成された中立国監督委員会は、このとき韓国側だけが残った。 ただ、ポーランドは毎年2回、板門店に自国代表を派遣し中立国監督委員会の会議に参加している。 イングマン少将は「中立国監督委員会が公式的な議決を行うためには北朝鮮が指名した代表も出席する必要があり、ポーランドの役割は非常に重要だ」と説明した。 スイスとスウェーデンは今も会議が開かれるたびに、会議の内容をまとめた書類を委員会会談場にある北朝鮮のポストに投函(とうかん)するものの北朝鮮はポストを開けないという。 それでも、ポストに書類がたまれば別途保管し、また新たに書類を投函する。 効果も得られない象徴的な行動だが懐疑的にならないか尋ねると、ゲルバー少将は「何もしないよりも良い」としながら、「国連は対話だけ行う機関だと言う人もいるが、対話をすること自体が重要だ」と答えた。 さらに「私たちがポストに入れた書類を北朝鮮が見ないと100%断言することはできない」と述べた。 北朝鮮が休戦協定を認めない状況でもひるまずに中立国監督委員会を守り続け協定の履行を監視する理由は何か。 ゲルバー少将は「協定はそれ自体が平和ではないが平和に向かう重要な懸け橋だ」と話し、非武装地帯(DMZ)で軍事的に対峙している南北の予期せぬ衝突を防ぐため、双方が合意した休戦協定を守らなければならないとの認識を示した。 ただ、休戦協定だけでDMZの平和を維持することには限界がある。 53年当時の軍事的構図で締結された協定を今の状況に反映させるのは難しくなっている。 イングマン少将は、協定は陸軍歩兵中心で領土を中心とした協定だとした上で、「軍事技術の発展を含むこれまでの変化を反映させた(休戦協定の)改善が必要だ」と話した。 sjp@yna.co.kr