日本の首相官邸で行われた韓日基本条約調印式の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
日本の首相官邸で行われた韓日基本条約調印式の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国と日本は22日で国交正常化50年を迎える。日本による植民地支配という苦い歴史を経て、1965年に韓日基本条約が結ばれると、両国は経済や安全保障を中心に協力した。韓国にとって現在の最大貿易相手国は世界2位の経済大国に成長した中国だが、日本は切り離すことのできないパートナーだ。日本との交流と協力は文化や人的交流など全方位に広がり、深まった。 しかし、韓日間には歴史認識や独島問題などの障害が次々と立ちふさがり、ぎくしゃくした関係が続いている。そのため、朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相は就任後、一度も首脳会談を行っていない。国交正常化50年を迎えた韓日関係の現状を如実に示すものだ。 それでも両国は関係改善の必要性という点では一致している。新たな協力の枠組みを設けるために両国の努力が必要と指摘される。 ◇目まぐるしく変化してきた韓日関係 韓日は朝鮮戦争さなかの1951年10月に予備会談を開始し、14年間の交渉の末、1965年6月22日に韓日基本条約を締結、国交正常化を果たした。 しかし、その後も対決と和解を繰り返し、両国の関係が後戻りすることもあった。基本条約には日本側の激しい反対により日本の過去の侵略と植民地支配に対する謝罪や反省の文言が盛り込まれなかった。これが今も続く葛藤(かっとう)の原因という指摘が多い。 日本のリーダーのゆがんだ歴史認識が妄言として飛び出し、日本の学校教科書や防衛白書、外交青書には旧日本軍慰安婦と強制徴用問題、独島領有権の主張など事実をゆがめた記述が見られる。また、日本の政治家は太平洋戦争のA級戦犯らが合祀(ごうし)された靖国神社を参拝している。 韓国の歴代政権はそれぞれの初期、日本との関係改善に向け積極的な姿勢を取ったが、決まって暗礁に乗り上げ、ぎくしゃくした関係が次の政権に引き継がれるという状況が繰り返されてきた。 朴正熙(パク・チョンヒ)政権は国内で「屈辱外交」という厳しい批判を受けながらも、近代化のために日本と手を結んだ。ところが、1973年の金大中(キム・デジュン)拉致事件や1975年の在日韓国人による射殺未遂事件などで両国の関係は一時、国交断絶寸前となった。 全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の1982年には、日本の侵略を「進出」、1919年に韓国で起きた3・1独立運動を「暴動」と表現した日本の高校の歴史教科書をめぐり外交的な摩擦が生じた。盧泰愚(ノ・テウ)政権では民主化を追い風に歴史の清算を求める声が強まり、慰安婦問題が表面化した。 金泳三(キム・ヨンサム)政権の1993年、慰安婦問題をめぐり旧日本軍の関与と強制性を認める「河野談話」、1995年には日本の過去の植民地支配と侵略に対する謝罪を盛り込んだ「村山談話」という少なからぬ成果があった。その一方で、日本は植民地時代に韓国に良いこともしたという江藤隆美総務庁長官の妄言が報じられ、金大統領が強く反発した。 続く金大中政権は「21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」という共同宣言を発表したが、日本の歴史教科書の歪曲(わいきょく)された記述や小泉純一郎首相の靖国神社参拝などがあつれきとなり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でもぎくしゃくした関係は続いた。さらに日本側は島根県の「竹島の日」条例など独島をめぐっても韓国を刺激した。 李明博(イ・ミョンバク)政権の2011年12月、野田佳彦首相との会談で、両首脳は慰安婦問題をめぐり衝突し、翌年8月に李大統領が独島に上陸すると、韓日関係は完全に冷え込んだ。◇韓日関係は最悪の状況 現在の韓日関係は国交正常化後の半世紀で最悪といえる状況に陥っている。朴槿恵(パク・クネ)大統領は2013年初め、安倍首相は2012年末に就任し、これまで国際会議で何度も顔を合わせる機会があったにもかかわらず、2国間の首脳会談を一度も行っていない。韓国は、歴史問題とは別に安保、経済など互恵的な分野で日本と交流や協力を行う「ツートラック」方針を取っている。「首脳会談なしの関係正常化」とも表現されるが、非正常の関係が続いていることは確かだ。 慰安婦問題が最大の障害となっている。慰安婦問題と独島問題は前政権での衝突を引きずっているという面もあるが、安倍首相の誤った歴史認識や右寄りとみられる行動が大きな原因との指摘が少なくない。河野談話を否定すると受け取れる動きも見せた。 韓国政府はあらためて謝罪を求めるというより、河野談話や村山談話を正しく継承する意向を明瞭にすることを求めるほうに近いが、安倍首相は耳を傾けようとしない。 韓日関係は国交正常化50年を迎え、非正常な状態が今後も続くか、慰安婦問題などあつれきの素地を解消し新たな協力の枠組みで仕切り直すかの重大な岐路に立つ。今月22日の国交正常化の記念式や、8月に安倍首相が発表する戦後70年談話が注目される。また、両国の局長級による慰安婦問題の協議の進展も重要な役割を果たすとみられる。◇双方に疲労感、関係改善に向けては これまでも歴史問題に関し日本側の謝罪や反省がなかったわけではない。1983年に中曽根康弘首相は日本首相として初めて来韓した際、「両国関係は遺憾ながら過去の歴史において不幸な歴史があったのは事実であり、これを厳粛に受け止めなければならない」と事実上初めて反省の意を示した。その後も河野談話と村山談話、1998年の金大中大統領と小渕恵三首相の韓日共同宣言、2010年の菅直人首相談話などがあった。 しかし、安倍首相は日本社会内部の保守的なムードを背景に、「戦後レジームからの脱却」を進めている。 韓日関係の葛藤が深まる中で、韓日国民の互いに対する認識も悪化している。両国の非営利団体(NPO)が今年3~5月に世論調査を実施したところ、韓国の回答者の72.5%、日本の回答者の52.4%が、相手側について否定的な見解を示した。 専門家らは、日本は韓国からの謝罪要求に、韓国は日本による妄言に、それぞれ疲労を感じていると分析する。 韓国外交通商部(現・外交部)東北アジア局長を務めた趙世暎(チョ・セヨン)東西大教授は、揺らぐことのない韓日関係に向け、「河野談話や村山談話などを基準とし、日本の責任ある立場の人物が発言や行動で守るべきガイドラインを設ける必要がある」と指摘した。 国民大日本学研究所の李元徳(イ・ウォンドク)所長は 「今の韓日関係は完全に歴史問題の中に埋没している。これを速やかに克服し協力の場を見いだすことがわれわれの未来に必要な戦略だ」と話した。日本が過去を直視し反省する態度が和解の基本となり、これに韓国も寛容に振る舞うことが重要だとした。 mgk1202@yna.co.kr
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