インタビューに応じるチモニン氏=1日、ソウル(聯合ニュース)
インタビューに応じるチモニン氏=1日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】今年1月に赴任したロシアのアレクサンドル・チモニン駐韓大使は1日、ソウルのロシア大使館で行われた聯合ニュースとのインタビューで、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題に懸念を示した。 チモニン氏は、「このミサイル防衛体制の韓国配備自体が地域内安定に対する脅威」とした上で、「ロシア国境から遠くない地域に配備するのは危険だ」との考えを示した。 また、「安全保障分野が複雑な北東アジア地域で新しい刺激要素が生じ、軍備競争を刺激する可能性もある。朝鮮半島の核問題解決の過程をさらに複雑にする可能性もある」との懸念を示した。 北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議に参加するロシアが同問題について北朝鮮の核問題と関連させ懸念を表明したのは、THAADの韓国配備に強く反対するロシアの立場を示したものとみられる。 また、モスクワで5月に開催される第2次世界大戦の対ドイツ戦勝70周年記念式典に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が出席するかについては、「北朝鮮側から(出席に対する)肯定的な返事を受けとった」とした上で、「北朝鮮の指導者がモスクワを訪問するため、プーチン大統領と会う機会があるだろう」との考えを明らかにした。 同式典に朴槿恵(パク・クネ)大統領が出席するかについては「韓国からまだ返事を受けていない状態だ。早い時期に最終的な決定を伝えてくることを期待する」とした上で、「われわれはこの決定が肯定的なものであることを期待する」との立場を示し、朴大統領の出席を求めた。 また、同式典を契機にロシア側がモスクワでの南北首脳会談を調整できるかについては、「最終決定は南北の指導部にかかっている」とした上で、「われわれは良い環境を作るために努力するだろう」と述べた。 最近、ロ朝関係が緊密化していることについて、「北朝鮮の指導部が隣国であるロシアとの協力拡大強化の必要性を認識している」との見方を示した。ただ、「(北朝鮮との)軍事的協力はない」として、「長い間、合同軍事訓練も行っていない」と説明した。 北朝鮮が中国ではなくロシアに接近しているのではないかとの質問には「正しくない評価」と述べ、中朝関係について「政治、経済・通商などの分野での協力は高いレベル」と分析した。 北朝鮮の非核化については「(北朝鮮は)対話の意思もあり準備もできているが、いかなる前提条件も掲げてはならないと考えている」と指摘。北朝鮮が主張する「条件なしの交渉再開」を支持する立場を示した。 チモニン氏は2012年5月から駐北朝鮮大使を務め、ロシア外務省の南北ロ協力事業担当の特命大使も担った。駐韓ロシア大使館で公使として勤務した経験もある。ロシアは南北の双方と国交を結んでいるが、元駐北朝鮮大使の外交官を駐韓大使として起用したのは初めて。 yugiri@yna.co.kr
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