刑事補償法で、裁判所が全ての事情を考慮して認められる補償金の上限基準が最大3000万ウォンだからである。しかしこれは死刑執行に対する補償金の場合であり、実質的な姦通罪の補償金は拘束日数を基準にして数百万ウォン(およそ数百万円)にとどまりそうだ。
憲法裁判所は26日、姦通罪の処罰条項に対する違憲法律審判において、裁判官9名のうち賛成7名、反対2名で「違憲決定」を下した。
これによって姦通罪で拘束され、実刑を受けていた人たちが、再審を請求したり刑事補償を受けたりすることができるようになる。
刑事補償及び名誉回復に関する法律によれば、刑事補償金は最低賃金によって算定された日当を基準に拘束期間に応じて算定される。
ある弁護士は「ことしの最低賃金である時給5580ウォン(約600円)に1日の労働時間8時間をかけて日当4万4640ウォン(約4800円)を基準にして、拘束日数に応じた補償金を請求することができる」とし、「ただ、1日の請求限度は日当の5倍(約2万4000円)と制限されている」と説明した。
従って会社員Aさんが100日間拘束収監された状態で姦通罪の裁判を受けたら、計算上では最大2232万ウォン(約240万円)の補償金を請求することができるというのだ。
しかし実際にその金額を補償されるのは容易ではない。
実際に姦通罪で実刑判決が下された人が多くなく、執行猶予にとどまるか1審で刑が確定しても身柄不拘束で控訴審を進める場合、補償基準(拘束時の補償)に満たないからである。
刑事補償金の場合、裁判部の判断が絶対的な比重を占めるという点で、補償額は思ったより少なくなる。
また弁護士によると、裁判所が補償額を算定する時には拘禁期間と期間中に受けた財産や心身上の損失、裁判過程での検察・裁判所の過失の有無など複合的に考慮されるため、被害者が拘束日数だけを考えて最大限の補償額を請求しても手にすることは難しいという。
それならば今回の姦通罪違憲決定によって刑事補償金を請求できる人数はどのくらいだろうか。
まず、刑事補償金を請求するためには再審で無罪とされなければならない。裁判中の場合はそこで無罪になるが、過去に実刑判決を受けた場合は再審請求をしなければならない。
しかし全ての姦通罪の処罰者が再審請求できるわけではない。
違憲決定による遡及対象を規定した法律が改正され、遡及対象が2008年10月30日以降に姦通罪で処罰された者と制限されたためである。
改正法によると、これまでに合憲と決定されていた事件がある場合には、その決定日の翌日から遡及され、効力が消失するという。
従って最後に合憲決定された2008年10月30日以降、姦通罪で処罰された人に限り再審や刑事補償手続きが許されるというのである。
また実刑や姦通罪の裁判を受けた時に拘束された場合のみ、刑事補償金を請求できる。
最高検察庁によると、2008年10月31日からことし2月24日までに姦通罪で起訴され判決までに至った人は、計5348名だという。
このうち110名は実刑判決を受け、さらに実際に拘束された人は22名に及ぶ。
1審で実刑判決が出ても、身柄不拘束で裁判を受けた場合が含まれるためである。
一方、3168名は執行猶予の判決が出ており、残り2070名は裁判で控訴が棄却された。
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