国立科学捜査研究院に運ばれる遺体=(聯合ニュース)
国立科学捜査研究院に運ばれる遺体=(聯合ニュース)
【光州、ソウル聯合ニュース】韓国の旅客船セウォル号沈没事故と関連し、先月、南部の全羅南道順天で発見された遺体が運航会社清海鎮海運の実質的なオーナー、兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者であることが分かった。警察が22日発表した。

 警察などによると、全南地方警察庁は先月12日ごろ、南部の全羅南道・順天の梅畑で腐敗した男性の遺体1体を発見した。警察が身元を確認するため尻の骨の一部を取り出しDNA鑑定を依頼したところ、兪容疑者の兄のDNAだけでなく、検察・警察が確保済みの兪容疑者のDNAとも一致したもようだ。さらに遺体の指紋が兪容疑者のものと一致した。
 検察は5月25日に逃亡中の兪容疑者の足取りを最後につかんだ順天の別荘から採取したDNAと、先月11日に兪容疑者率いる新興宗教団体の施設に2回目の家宅捜索に入った際、兪容疑者の写真作業室から確保したDNAが一致することを確認していた。この2か所から確保したDNAと兪容疑者の兄のDNAを鑑定した結果、兄弟関係と判断された。 

 警察関係者は「正確なことはさらに突き詰める必要があるが、兪容疑者と確実視されている」と話した。
 また、検察幹部は「兪容疑者とみられる遺体が発見されたという報告があり、検察と警察が確認中だ。国立科学捜査研究院などの最終調査結果を待っている」と伝えた。
 発見当時、遺体の周りには焼酎やマッコリの瓶などが散らばっていた。遺体は冬物のジャンパーにふちの広い帽子をかぶり、あおむけで横たわっていたとされる。白骨化が進んでいたため、死亡推定時刻はまだ出ていない。
 一方、兪容疑者一家の不正事件を担当する仁川地検特別捜査チームは5月16日に兪容疑者に出頭するよう通知したが、兪容疑者が応じなかったため事前拘束令状を請求した。兪容疑者は裁判所の令状実質審査にも現れず、仁川地裁は同22日、有効期間2か月の拘束令状を発布。検察は検挙班を立ち上げ兪容疑者を追っていたが、同25日ごろ、順天の別荘で兪容疑者のものと推定される体液が発見されたのを最後に足取りが途絶えていた。
 検察は今月21日、期限が切れた兪容疑者の拘束令状を返還し、あらためて有効期間6か月の拘束令状の発布を受けた。

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