韓国科学技術院(KAIST)化学科の劉竜(ユ・リョン)教授チームが7日、石油化学産業で主触媒として使われるぜオライトの触媒活性化と安定性を大幅に向上させる新たな技術を開発したと明らかにした。関連論文は同日、科学専門月刊論文誌「ネイチャーマテリアルズ」の電子版に掲載された。
 劉教授チームは、化学的な分子設計を通じデザインした新たな界面活性剤をゼオライト合成時に添加することで、ゼオライト結晶生成の際、結晶内部に既存のナノ細孔とともにはるかに大きいナノ細孔も発生させる「位階的なナノ細孔構造」のゼオライト物質合成法を開発した。

 ゼオライトはガソリンの生産や各種石油化学産業全般で最も広く利用される触媒物質で、シリカやアルミニウムなどからなる。結晶内部に多く存在するナノ細孔を通じ触媒作用を引き起こす。ただ、このナノ細孔が極端に小さく反応対象分子の移動速度が遅いため、触媒活性の低さがデメリットとされていた。反応速度を上げ触媒機能を向上すれば膨大な付加価値が期待されるため、石油化学業界の長年の難題だった。今回開発された技術は、既存のゼオライトに比べ反応物質の動きが速くなり、触媒活性と安定性に優れた効果が立証された。石油化学産業現場で適用すれば従来より3~5倍高い効率と経済性が期待される。

 劉教授チームは国内や国際特許を出願しており、触媒の活性化が急務である国内産業界への応用に備えている。劉教授は、「中質油をガソリンに変換させる高付加価値工程や、廃プラスチック分解といった環境部門工程に中核的な触媒として広く活用できる」と期待を示した。

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