自殺を図った課長が入院されている病院の集中治療室。治療室周辺には警備員が配置され、関係者以外の立ち入りを禁止している=24日、ソウル(聯合ニュース)
自殺を図った課長が入院されている病院の集中治療室。治療室周辺には警備員が配置され、関係者以外の立ち入りを禁止している=24日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】ソウル市職員の北朝鮮スパイ疑惑に関する裁判をめぐり、韓国検察当局の調べを受けていた情報機関、国家情報院(国情院)の男性課長が自殺を図ったことが24日、分かった。課長は病院に運ばれたが、意識不明の重体。
 課長は国情院が裁判所にスパイ事件の証拠として提出した同職員の中国出入国管理記録などの文書偽造に関与した疑いが持たれている。
 警察によると、課長は22日午後、ソウル付近の河南市内に止まっていた車内で意識不明の状態で発見された。助手席には練炭の燃えかすが残っていた。遺書のようなものは見つかっていないという。
 在瀋陽総領事館の副総領事として中国に滞在していた課長は15日に帰国し、19~21日に3回にわたり検察の事情聴取を受けた。3回目の聴取では検察の捜査に不満を漏らしていたという。
 一方、今月5日には同じ容疑で検察の調べを受けていた国情院の協力者の男が宿泊先のホテルで自殺を図った。男は容体が回復し、偽造私文書行使の疑いで逮捕された。
 裁判は、ソウル市の契約職員で元北朝鮮脱出住民(脱北者)が韓国に住む脱北者約200人の情報を北朝鮮に渡したとして、昨年2月、国家保安法および旅券法違反罪で起訴されて始まった。同年8月の一審判決では無罪が言い渡された。控訴した検察は被告が北朝鮮から指令を受けるため中国を経由して北朝鮮入りしたことを示す証拠として、国情院から受けた中国当局の出入国管理記録など3件を高裁に提出。被告の弁護団は文書が偽造されたとして、真偽の確認を求めた。高裁の照会要請を受けた在韓中国大使館は、文書は偽造されたものと回答した。

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