【ソウル聯合ニュース】朝鮮王朝時代から首都として多くの文化遺産を大切にしてきたソウル、中国千年の古都として都市を保存してきた北京、平安時代からの史跡をそのまま残す京都。
アジアの象徴と言える3都市から都市計画の専門家が一堂に会し、都市化の中での文化財保存のあり方について意見を交わした。
ソウル市内で25日午前、ソウル研究院の李昌ヒョン(イ・チャンヒョン)院長、北京城市規画設計研究院城市設計所の馮斐菲所長、京都市景観・まちづくりセンターの寺田敏紀事務局長が対談を行った。
この席で李院長は「西欧に対するコンプレックスにより、それを無条件に追いかけてきたアジアの都市がアイデンティティー喪失、危険増加、大気汚染など同じような苦悩に直面した」として「パラダイム転換のために『アシアの首都モデル』が必要な時」と強調した。
寺田事務局長は京都が「歴史都市」と呼ばれるようになるまでには、市民と多くの対話をしてきたとして、何より市民意識が文化遺産保存の前提条件という見解を表明した。
また、京都も初めから建物の高さを無条件に低くしたのでなく、15年以上に及ぶ市民との対話を通じて段階的に35メートルまで低くしたと説明。その高さも文化財保存のためだけでなく、日照権など市民生活を総合的に考慮したものと語った。
さらに、15年間議論をしていく中で市民意識が成熟し、政策立案前に京都新聞で世論調査をした時は政府の規制案に市民の80%が賛成し、開発業者は高さ制限により建物の価値が高まったと考えるようになったと付け加えた。
現在京都市は建築物に対する高さの規制だけでなく、デザイン、屋外広告、街路景観管理なども政策を通じてガイドラインを提示している。
試行錯誤をするのは中国も同じだった。馮所長は「共産党が政治の実権を握ってからはソ連の路線を無条件に追い、昔の城を保存しないで建物を作ったせいで北京城が消えた」として「その後『文化財復元』に対する関心が起こったがそれは現在の人々の生活を改善しようとするものであり、真の意味での保護ではなかった」と語った。
続いて「文化財が多い地域で暮らしたいのなら、現代施設がなくて、ある程度不便でも、それを甘受する努力をしなければならない」と付け加えた。
また、ソウル市が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産への登録を進めている漢陽都城にも関心を見せた。「万里の長城は外観だけでも価値があるが、それ以上に農耕民族と遊牧民族の摩擦、政権の変化などをそのまま表している点に価値がある」とし「漢陽都城も技術的側面と共に文化的な意味合いを強調すれば良いだろう」と助言した。
対談で李院長はソウル・北京・京都の「首都歴史フォーラム」を作り、議論を定例化することを提案した。

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