北朝鮮は11日夜、代表団の派遣中止を韓国側に通知したのに続き、12日には板門店の南北直通電話の業務開始連絡に応じなかった。
3月11日に北朝鮮が一方的に遮断した直通電話が、当局者会談開催のため今月7日に約3か月ぶりに再開したものの、5日ぶりに再び遮断された可能性もある。
北朝鮮が今後、会談中止の責任を韓国側に押し付け、非難することも予想される。
ソウル大学統一平和研究院の張容碩(チャン・ヨンソク)上級研究員は、会談が中止になった現在の状況について「北朝鮮は韓国側を非難することで責任を回避するだろう」と話した。その上で、「宣伝戦などが展開される可能性が高い」と予測した。
ただ、現在の南北関係は良くないものの、状況を打開しようとする北朝鮮の努力は続くだろうというのが専門家の意見だ。
北朝鮮側が韓国の統一部次官を首席代表とする代表団名簿を拒否したことで会談中止に至ったため、韓国政府は追加的な後続措置は取らない方針だ。北朝鮮側が先に態度を変化させるべきだという立場だ。
一方、北朝鮮が南北対話に非常に前向きな姿勢を見せているため、こうした姿勢は簡単には変えないだろうと期待をにじませる見方もある。
北朝鮮はこれまで避けてきた板門店を実務協議の開催場所として受け入れ、会談代表団名簿で韓国政策を担当する朝鮮労働党統一戦線部の元東淵(ウォン・ドンヨン)副部長を代表団の一員として提示し、韓国側に対話の意思を見せた。
そのため、北朝鮮側が現在の局面を打開するため、会談を提案してくる可能性があるという見方も出ている。
北韓大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は長官級の高官会談が首席代表の格の問題で中止になっただけに、北朝鮮が実務会談へと方向転換する可能性があると指摘した。その上で、「該当分野の実務者が出席する、開城工業団地正常化、金剛山観光再開、離散家族問題などと関連した実務会談を提案することもあり得る」と予想した。
北朝鮮の最近の動きが崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長の訪中と習近平国家主席との会談をきっかけに本格化している点から、今月末の韓中首脳会談前に状況打開に出る可能性を指摘する声もある。中国政府は朝鮮半島の平和と安定を強調し、対話が必要だとの認識を示しているため、北朝鮮もこうした要求を無視できない状況だ。米国政府も米朝対話に先立ち南北対話が必要だという立場を強調している。
北朝鮮が自分たちを取り巻く情勢のコントロールという大枠を維持するため、南北対話の姿勢を維持するとの見解もある。そうしたなか、韓国政府もより積極的に北朝鮮を会談のテーブルにつかせる努力をすべきだという声も高まっている。
延世大学政治外交学科のチェ・ジョンゴン教授は「韓国政府は会談(開催の提案)は有効で、どのレベルで会談をするのか、という再協議に向けたメッセージを送るべきだ」と指摘した。さらに「信頼という観点から少なくとも会うべきだ」と述べた。
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